連載 vol.86「つながる」力 町内会でゆるやかにつながる 【深谷晃一(水戸市職員)】
地方自治
2023.11.06
目次
本記事は、月刊『ガバナンス』2021年5月号に掲載されたものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、現在の状況とは異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。
所属等は執筆(掲載)時点のものです。
※本コラムは主に自治体職員によるネットワークのメンバーがリレー形式で執筆します。
昨年4月から、市民協働部市民生活課で町内会に関する業務などを担当している。水戸市の町内会の加入率は、低下傾向にあり、この加入率を上げることが私の仕事である。
私は、町内会には加入するべきであると考えている。社会に出ると、30年以上働くことになるが、退職後、それと同じくらいの時間を地域で過ごすことになる。そんな長い期間、誰ともつながらずに、家に閉じこもっていたら、身体的にも精神的にも衰えていくだろうし、困った時に助け合うことも難しいだろう。面倒かもしれないが、人とゆるやかにつながりながら、少しずつ地域活動を続けていくほうが、顔が見えて、元気でいられるのだと思うし、人生は楽しく豊かになるだろう。
私自身は、これまで町内会に関わったことがなく、全て父に任せていた。しかし、父が昨年9月に亡くなってからは、私が町内会に関わるようになった。30代の私を70代の大先輩たちはあたたかく迎えてくれた。これは、長年にわたり町内会とつながってきた父の恩徳によるところが大きく、父の子だからこそ、すぐに仲間に入れてくれたのだろう。このように、プライベートでは町内会デビューしたばかりであり、町内会の素晴らしさを噛みしめている。
町内会に実際に関わってみてわかったことは、私の加入している町内会の場合、普段は回覧板のほか、清掃が年に一度あるくらいで、さほど負担ではないことだ。役員は未経験であるが、十数年に一度、当番がまわってくるそうだ。なんとなく大変そうなイメージであったが、自ら関わってみて、そうではないことがわかった。関係性もとてもゆるやかで、活動の中で高齢者が元気に交流していることが印象的だ。
こういった経験を仕事にも生かしながら、一人でも多くの人に町内会に加入してもらえるように、ゆるやかにつながることの大切さを伝えていきたい。また、全国の自治体の皆さんで、同じように町内会の加入率低下に悩んでいる人がいたら、つながって共に学びたい。
(水戸市職員/深谷晃一)