NEXT STEP デジタル庁 第8回 デジタル改革共創プラットフォームとは
地方自治
2023.06.19
この資料は、地方公共団体情報システム機構発行「月刊J-LIS」2023年5月号に掲載された記事を使用しております。
なお、使用に当たっては、地方公共団体情報システム機構の承諾のもと使用しております。
NEXT STEP デジタル庁
第8回 デジタル改革共創プラットフォームとは
デジタル庁デジタル改革共創プラットフォーム事務局
はじめに
デジタル改革共創プラットフォーム(以下「共創PF」という。)とは、地方自治体と政府機関の職員であれば誰でも参加することができる、ビジネスチャットツールのSlackを活用した「直接対話型」のプラットフォームです。
2023年1月1日時点で約1,160の地方自治体から、4,300名以上が参加。3月7日には多くの利用者からのご要望を受け、LGWAN環境でも利用ができるようになりました。
DXの課題と担当者の悩み
「誰一人取り残されない、人に優しいデジタル化」1)の実現には、最も住民に近い立場にある地方自治体の役割は極めて重要ですが、地方自治体では多くの課題や悩みを抱えているのが現状です。
1)デジタル社会の実現に向けた改革の基本方針(2020年12月25日閣議決定)では、目指すビジョンとして「デジタルの活用により、一人ひとりのニーズに合ったサービスを選ぶことができ、多様な幸せが実現できる社会~誰一人取り残されない、人に優しいデジタル化~」が示されました。
総務省がまとめた「自治体デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進計画」の首長に求める役割において、「DXの推進に当たっては、仕事の仕方、組織・人事の仕組み、組織文化・風土そのものの変革も必要となる中、首長自らがこれらの変革に強いコミットメントを持って取り組む」と定めるとおり、人材確保や風土革新は地方自治体の共通課題といえます。
特に小規模自治体からは「デジタル人材の確保に課題がある」、DXについて「何から取り組めばいいのかがわからない」「参考となる導入事例が少ない」2)という声があがっています。
2)「地方自治体のデジタルトランスフォーメーション推進に係る検討会(第7回)」の配布資料3より抜粋https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/chiho_dx/02gyosei07_04000142.html
また、デジタル庁が2022年11月に行った共創PF利用者向けのリサーチでは、「DXを推進することに対してなかなか周囲の理解を得られない」「DXに関して身近に相談相手がいない」など、担当者の孤独感に関する声も多く聞かれました。
共創PFを利用するメリット
(1)誰もが気軽に投稿できます
国、地方自治体間のフラットなコミュニケーションにより、誰もが自由に課題やアイデアを投稿できる、自由闊達な意見交換の場であることが共創PFの目指す環境であることから、共創PFではビジネスチャットツールのSlackを利用しています。
また、共創PFでは「投稿は個人のご意見として取り扱う」という投稿ルールを設定しているため、小さな悩みやちょっとした疑問でさえも誰もが気軽に投稿できる環境が整っていることが大きな魅力です。
(2)簡単に情報共有ができます
共創PFには、同じ悩みや課題を抱えた方々が多く参加しています。
約1,160の地方自治体から、4,300名以上の方が参加されているため、同じ規模の地方自治体担当者との情報共有や意見交換を行うことが可能です。
また、自身が抱える悩みなどに対し、先行的に取り組む地方自治体の方や専門的な知見を持つ方が多く参加をしていることから、進め方の相談をしたり、成功・失敗事例の情報交換や知見を得ることなどが簡単にできます。
(3)情報の一覧性
共創PFでは、現在80近いチャンネルが存在しています(表)。「マイナンバーカード」「標準化-ガバメントクラウド」など多くの自治体職員に関連する注目度の高いチャンネルをはじめ、「AI活用」や「自治体ネットワークセキュリティの将来像」など、様々なチャンネルを通して幅広い情報を取得することが可能です。
また、各チャンネルにはその領域に詳しい、あるいは、当該政策を担当する政府機関の職員がファシリテーターとして参加しており、利用者に対して情報提供なども行われています3)。
3)「都道府県」や利用者要望によって作られたチャンネルなど、政府機関職員が参加していないチャンネルもあります。
さらに、「都道府県」や「政令指定都市」など階層別に意見交換を行うことができるチャンネルのほか、イベント情報やおすすめスポットなどの地域の魅力を他の地方自治体に紹介することができるチャンネルなど、DX分野に限らず広くご活用いただくこともできます。
(4)読みづらい文章を他の利用者がかみ砕いてくれます
チャンネル内では、国からの通知に関する意見交換も行われています。
これまで、国からの通知等は自己で解釈するものでしたが、共創PFでは多くの利用者が意見交換をした「咀嚼された情報」を受け取ることができます。
さらに一部のチャンネルでは、国の政策立案に関する質疑等を政府機関職員が共創PFを活用して行うこともあります。「直接対話型」のシームレスなやりとりが実現されています。
デジタル社会の実現に向けた重点計画
2022年6月に閣議決定された「デジタル社会の実現に向けた重点計画」では、「現場の業務や技術面から検討に参加する全国の地方自治体職員と対等に議論する場として立ち上げた『自治体職員×政府機関職員デジタル改革共創プラットフォーム』を積極的に活用する」ことが定められました。
これまで以上に、政策立案の段階から地方公共団体と政府機関の職員が情報・意見交換ができる場を整え、デジタル社会の実現に向けた推進により一層努めていきます。
LGWAN接続について
「職場の業務用端末からも共創PFにアクセスしたい」という多くの声を受け、2023年3月7日より共創PFのLGWAN対応をスタートしました(図)。
LGWAN接続には、地方公共団体側でネットワーク設定を行う必要があります。設定方法は、2023年3月7日に「調査・照会(一斉調査)システム」および「共創PF(チャンネル:#デジ_all_デジタル庁からのお知らせ)」にてご案内をしておりますので、情報政策担当課と連携の上、ご対応ください。
利用登録について
登録申請は、デジタル庁Webサイトより行うことができます。
登録マニュアルご参照の上、登録フォームにご入力ください。
・利用者は自治体、政府機関の職員に限ります。 ・利用登録が可能なドメインは、「lg.jp」及び「go.jp」とします。インターネットメールが受け取れないなどの事由がある場合は、インターネット側のドメインでのご登録対応もさせていただきます。ただし、ご申請のドメインが自治体のドメインであるかを確認させていただく場合がございます。その場合は、審査にお時間を要します。予めご了承ください。 ・1メールアドレスにつき、1アカウントです。表示名はご申請いただいた方の表示名に設定させていただきます。 ・自治体ごとのアカウント数に制限はありません。 ・アカウント発行等に係る費用はございません。 ・登録申請は組織アドレスでも可能ですが、個人名で申請をしてください。組織名でご申請いただいた場合は、個人名を確認させていただいてからアカウント発行をいたします。 ・登録申請からご招待まで、最大3日程度のお時間をいただく場合がございます。ご招待はSlackからメールが発信されます。予めSlack<[at]slack.com>からの招待メールを受信できるよう設定いただくか、3日程度待っても招待メールが届かない場合は事務局<co-creation-platform[at]digital.go.jp>までご連絡ください([at]を@に変更してください。)。
自治体職員×政府職員、自治体職員×自治体職員など国や地方のデジタル化に関する意見交換を「デジタル改革共創プラットフォーム」で、行っています。
ご参加お待ちしています!