連載 vol.71「つながる」力 つながりを未来へつなげる 【新妻 恵(東京・府中市職員)】
地方自治
2023.06.08
目次
本記事は、月刊『ガバナンス』2020年2月号に掲載されたものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、現在の状況とは異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。
所属等は執筆(掲載)時点のものです。
※本コラムは主に自治体職員によるネットワークのメンバーがリレー形式で執筆します。
「地域でつながる 世界とつながる 未来へつなげる」。今年度の府中市の市政運営方針であるが、自身の活動に通じていると感じている。
約10年程前から市内の音楽イベントの実行委員として関わっている。ストリート会場、カフェなど20箇所以上の会場で開催しており、全て市民が会場やスケジュール調整、資金集めなどを行っている。職員としての立場ではなく、同じ市民として共に汗をかき、支え合うことで、市民の方々との信頼関係やつながりができ、多くの場面で助けられている。
私がたまにわ(立川市の自治体職員勉強会)に参加するきっかけも市民活動のつながりからである。そしてその後参加した研修に、講師として立川市の津﨑政人さんや小平市の神山伸一さんが登壇され、このつながりからタマガワ・リーグに関わることになった。
第1回のタマガワ・リーグで、山形市の後藤好邦さんに登壇いただいたことで、東北OMや全国自治体職員ネットワークへ参加し、「対話と協働」で取り組むたくさんの熱意ある全国の職員とつながり、多くの刺激を受けることができた。
この地域や全国でのつながりを庁内にフィードバックさせたいと考えていた。そんなとき、後輩から相談を受け、以前、自主勉強会を運営していた先輩も交え、意義や目的共有、運営方針などを話し合い、自主勉強会が立ち上がった。
同じ職員でも世代や経験が違えば考え方も違う。価値観の違いを認め合うことで、新しい視点や気づきと出会える楽しさがあることを知ってほしい。そんな思いで取り組んでいるが、回を重ねる中で関わりたいという職員が1人、2人と出てきたこと、何より後輩たちの頑張りに喜びと心強さを感じている。
「やってみたい!」という期待感が行動原理であり、些細なことでも、何かの、誰かの役に立っていることはある。そしてその行動が多くのつながりと経験、喜びという財産を与えてくれている。これからもこの財産に恥じぬよう日々精進していきたい。
(東京・府中市職員/新妻 恵)