インバスケットとは何か~自治体職員に必要な理由

鳥原 隆志

インバスケットとは何か~自治体職員に必要な理由 1

地方自治

2022.10.03

なぜインバスケット研修が導入されているのか

最近周りの自治体で「インバスケット」なる研修が導入されているとお聞きになったことはありませんか?
内閣府や横浜市、練馬区などの自治体をはじめここ数年で一気にインバスケットを研修を導入されている団体が増えてきました。

実はインバスケット研修自体はそれほど目新しいものではありません。
しかし、ここ数年私たちを取り巻く環境は大きく変化しました。

特に災害や伝染病などの未曽有の事態が起きて、今までの普通が普通ではない状態になりました。
この時代の背景とインバスケット研修は大きな関連性があるのです。

結論から言えば従来の枠組みに囚われない判断力や、臨機応変な問題解決力が必要になったので、その特効薬としてインバスケット研修が注目されているのです。

では今までの教育と何が異なるのか?
それは従来の研修は知識やスキルを教えるインプット型でした。
しかしインバスケットはもっている知識やスキルを実際に使えるかを試す“アウトプット型”のツールなのです。

つまり「知っている教育」から「出来る教育」へと多くの団体が舵を切り始めたのです。

 

アメリカ空軍で生まれたトレーニングツール「インバスケット」

さて、インバスケットのご紹介をしましょう。
インバスケットとは架空の立場になり、制限時間内に多くの案件を処理するビジネスシミュレーションゲームです。
語源は「未処理箱」から来ています。
まだ決済されていない書類が多く入れられている箱を指しているのです。
この未処理案件を限られた時間の中で精度高く処理を行う模擬体験ゲームと捉えていただいていいでしょう。
私はこのツールを専門に研究し、様々な分野で判断力や優先順位設定力などの力を育成する活動を行っています。

ルーツは1950年代のアメリカ空軍から活用され始めたという説が有力です。
当時アメリカ空軍の教育機関では、戦場に送り出す前のパイロットや士官に教育をしていましたが、習得した知識や技能が現場では十分活用出来ないケースが続出し、その原因を研究したところ、辿り着いた結論は、「覚える」ことと、実際に「使える」ことは全く違うということでした。
そこで覚えた知識や習得したスキルが実際に使えるかどうかを測定するツールとしてインバスケットが開発をされました。

そのインバスケットは民間企業のリーダーの教育ツールや選抜ツールとして活用され、日本では1980年代に大手企業の管理職登用試験として活用され始めました。

私もその試験を受けた昇格試験のインバスケットに出会いました。
その出会いは強烈でした。
それまで自分は判断力もあり、様々な問題も解決できるという自信は、木っ端微塵に打ち砕かれたのです。
自分の判断や指示を客観的に見つめた時に、いかに曖昧な判断で、あまりにも表面的な問題解決をしている自分をマザマザと知りました。つまり自分自身の判断スタイルをここで知ったのです。
それがインバスケット・トレーニングの始まりでした。

 

現在のインバスケットはどのように活用されているのか?

現在インバスケットは主に3つの側面で活用されています。
一つは昇進昇格試験などのアセスメントと呼ばれる適性試験の要素で活用されています。
もちろんインバスケットだけで昇進昇格を決めるというわけではなく、他のグループディスカッションや筆記試験などと組み合わせて活用されています。

もう一つは能力測定です。
管理職としてだけではなく仕事をするうえでどの部分が強みで、どの部分が弱みなのかをインバスケットの回答から分析し数値化するスコアリングという技術を使って見える化します。

組織全体としても職員の教育をする上の資料として活用できます。

最後は教育で活用されています。
インバスケットで回答した内容を使い、他のメンバーと比較したり意見を交換することで、今までなかった視点や手法、考え方に気づきます。
私自身もこのインバスケットに出会うまでは自分の改善点を勘違いしていました。
インバスケットは今まで気づかなかったことを気づかせてくれる最強の気づきツールと言えるでしょう。

 


詳しくはこちらから

https://www.inbasket.co.jp/special/municipality/

 

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株式会社インバスケット研究所 代表取締役

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