霞が関情報|「地方財務」2019年11月号(ぎょうせい)
地方自治
2019.11.04
育休取得が過去最高(人事院)
人事院は、「仕事と家庭の両立支援関係制度の利用状況調査(2018年度)」の結果をまとめた。それによると、一般職の常勤の男性国家公務員が育児休業を取得した割合は、前年度に比べて3.5ポイント増えて21.6%となり、過去最高となった。一方、女性の取得率は同0.2ポイント減って99.5%だった。
調査結果によると、新たに育休を取った期間の平均は10.4カ月で、男性は1.8カ月、女性は16.4カ月だった。分布状況を見ると、男性で最も多かったのが「1カ月以下」で72.1%。女性で最も多かったのは「12カ月超24カ月以下」で30.4%だった。
男性職員のみを対象にした調査で、配偶者出産休暇を使ったのは90.7%(前年度86.2%)、育児への参加のために休暇を取ったのは86.4%(同77.6%)で、いずれも前年度よりアップした。
介護休暇を利用した職員は199人で、男性110人(前年度比29人減少)、女性89人(同2人減少)だった。一方で、介護時間や、年5日の範囲内の短期介護休暇を使った職員は全体として増えた。
外国で勤務する配偶者と生活を共にできる配偶者同行休業を活用したのは89人だった。この制度が導入されてから約5年間で取得したのは、計338人となった。
人手不足の影響が7割超(厚生労働省)
厚生労働省は、2019年版「労働経済の分析」(労働経済白書)を公表した。それによると、人手不足が自社の会社経営に影響を及ぼしている企業の割合は7割を超えている。白書は、雇用管理の改善などによって、「働きやすさ」や「働きがい」を向上させることを通じ、従業員の定着率の改善や離職率を低下させることが、人手不足を緩和させるために重要だと指摘している。
人手不足による影響の調査は「労働政策研究・研修機構の「人手不足等をめぐる現状と働き方等に関する調査(企業調査票)」(2019)を基に独自集計。多くの企業は、人手不足が経営に対して悪い影響を及ぼしていると考えており、具体的には「既存事業の運営への支障」(43.0%)、「技術・ノウハウの伝承の困難化」(37.9%)などが理由として多かった。一方、良い影響については、「既存事業の積極的な効率化の実施」などが挙がった。
人手が不足している企業で、その理由について「新規の人材獲得が困難になっている」としているのは、69.4%と7割近くに上っており、「従業員の自発的な離職の増加」や「景気の回復に伴う事業の拡大」を挙げる企業もあった。
ただ、新規の人材獲得が困難になっているため、求人募集しても「応募がない」という企業が最も多く、60.9%と6割超を占めている。「応募がない」企業を産業別にみると「宿泊業,飲食サービス業」「建設業」「医療,福祉」が多かった。
小中の冷房設置が77%(文部科学省)
文部科学省は、公立学校の空調(冷房設備)の設置状況をまとめた。9月1日現在で、小中学校の普通教室のうち、冷房を設置済みなのは、全体の38万3514校のうち29万5720校と、77.1%になった。今年度末までには9割に達する見込み。
都道府県別に設置率を見ると、最も高いのは東京都と滋賀県、香川県の100%。北海道が0.8%と最も低く、青森県が5.6%、秋田県が18.7%、岩手県が20.5%などとなっている。
高校の普通教室での設置率は83.5%で、前年の77.2%に比べて6.3ポイント増となった。
非鉛弾への切り替え検討(環境省)
環境省は、水鳥や猛禽類の狩猟に際し、鉛製銃弾の使用を全国的に禁止するための検討を進める。既に禁止されている北海道以外の地域でも、非鉛製銃弾への切り替えをしていく考え。2021年度に予定されている鳥獣保護管理法に基づく基本指針の改定に向け、狩猟者など関係者との合意形成をしていきたい意向だ。
有害物質である鉛を使った銃弾は、水鳥が飲み込んだり、撃たれた獣を食べた猛禽類が摂取したりした結果、鉛中毒で死ぬケースがあるという。
同省は、関係者との合意形成をする上で必要となる基礎データにするため、鉛弾の影響に関する科学的知見を集積したり、北海道や海外の事例収集に取り組んだりする。