行政大事典

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【最新行政大事典】用語集―収納代行サービスとは

地方自治

2020.11.07

【最新行政大事典】用語集―収納代行サービス

はじめに

 『WEB LINK 最新行政大事典 全4巻セット』(ぎょうせい)は膨大な行政用語の中から、とくにマスコミ等で頻繁に使用されるものや、新たに登場したテーマ、法令などから選りすぐった約3,000の重要語句を収録。現場に精通した執筆陣がこれらの行政用語を簡潔にわかりやすく解説します。ここでは、「第1巻 第7章 財政・予算」から、「収納代行サービス」を抜粋して、ご紹介したいと思います。

収納代行サービス

 収納代行サービスとは、商品・サービスの販売業者(債権者)から依頼を受けた第三者が商品・サービスの利用者(債務者)から代金を徴収して販売業者に引き渡すサービスである。例えば、物品・サービスを販売した通信販売、電気・ガス事業者など債権者から売上代金の回収を依頼された収納代行業者が、物品・サービスの購入者(債務者)からクレジットカードやコンビニエンスストアを通じた支払いを受け、収納金を債権者に引き渡す業務である。

 収納代行サービスには幾つかのバリエーションがある。代金引換サービスはその1つで、商品を購入した者の自宅等に商品を搬送する際、商品を搬送する運輸業者が商品の販売業者から依頼を受け、商品の引き渡しに際して購入者から代金を受け取り、販売者に対して受け取った資金を渡すサービスである。また、携帯電話会社が携帯電話に搭載されたコンテンツの提供者から依頼を受けて電話料金等の支払いを受ける際に併せてコンテンツの使用料金を受ける回収代行サービスも収納代行の一種と考えられる。

 収納代行は、当初、民間事業者の代金回収手段であったが、2003年(平成15年)4月以降は、改正地方自治法施行令および改正国民健康保険法の施行により、地方税および国民健康保険料も収納代行による支払いが可能になったことを受けて、幾つかの自治体が住民税や自動車税等の収納に収納代行を利用している。さらには収納率の低下が著しい国民年金保険の収納も収納代行を活用するなど公金の収納にも活用されている。

 なお、現在の収納代行サービスは資金決済法の対象となっていない。それは、同法制定時における同サービスが一定の利用者保護が図られていたと考えられたことによるが、その後登場したスマートフォンを利用したいわゆる「割り勘アプリ」では、収納代行の形式をとって実質的な個人間の資金送金を行う仕組みを提供している。このため金融審議会・金融制度スタディグループは、2019(令和元)年7月に取りまとめ公表した報告書「決済法制及び金融サービス仲介法制に係る制度整備について」において、債権者が一般消費者である場合「一般消費者が収納代行業者の信用リスクを負担することとなり、実質的に個人間送金に該当するようなものは資金移動業として規制対象とすることが適当である」としている。金融庁では、この報告書を踏まえた法整備を検討することとしている。

*『最新行政大事典』2019年10月より。(NPO法人 フォーラム自治研究 長谷川清)
(有償版は本文に加え、法令へのリンク機能があります)

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