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【最新行政大事典】用語集―人事院勧告(給与勧告)とは

NEW地方自治

2020.12.05

【最新行政大事典】用語集―人事院勧告(給与勧告)

はじめに

 『WEB LINK 最新行政大事典 全4巻セット』(ぎょうせい)は膨大な行政用語の中から、とくにマスコミ等で頻繁に使用されるものや、新たに登場したテーマ、法令などから選りすぐった約3,000の重要語句を収録。現場に精通した執筆陣がこれらの行政用語を簡潔にわかりやすく解説します。ここでは、「第1巻 第3章 総務・人事・給与」から、「人事院勧告(給与勧告)」を抜粋して、ご紹介したいと思います。

 勧告とは、一般にある事項についての判断又は意見を申し出て、その申出の内容に沿った措置をとるよう相手方に勧め促す行為だが、人事院勧告は、人事院の有する公務員の労働基本権制約の代償機能の中心的部分を占める主要な機能である。
 人事院勧告は、給与等の勤務条件の改善等を国会及び内閣に勧告するものであるが、勧告を受けた内閣、国会は、法的に拘束されるものではない。

1 給与勧告

 国家公務員法(昭和22年法律第120号)において、人事院の権限として幾つかの勧告が規定されているが、その中でも最も重要な意味のある勧告は、いわゆる給与勧告である。

 この制度は、非現業の国家公務員について憲法において保障されている労働基本権を制約することによる代償措置として設けられているもので、職員の給与が社会一般の情勢に適応するように変更するもので、人事院はこれを怠ってはならないとされている(国公第28{1})。具体的には、人事院は、毎年、少くとも一回、俸給表が適当であるかどうかについて国会及び内閣に同時に報告しなければならず、俸給表に定める給与を百分の五以上増減する必要が生じたと認められるときは、報告にあわせて、国会及び内閣に勧告をしなければならないとされている(国公28{2})。

 人事院の給与勧告がなされても、直ちに給与表等の変更がなされるものではなく、取扱方針の閣議決定、給与法案の作成、法案の閣議決定等を経て国会で審議されることになる。

2 その他の勧告

 人事院の行う勧告には、給与勧告のほか次のようなものがある。

(1)人事行政の改善に関する関係大臣その他の機関の長に対する勧告(国公22)
(2)行政措置の要求についての判定に基づく必要な措置に関する内閣総理大臣又は所轄庁の長に対する勧告(国公88)
(3)寒冷地手当に関する国会及び内閣に対する勧告(国公寒冷4)

 なお、人事院は、実質的には勧告と同様の性質をもつ人事行政に関する法令の制定又は改廃についての国会及び内閣に対する意見の申出をすることができる(国公23)。

 また、平成26年の国家公務員法の改正により、職員団体は、職員の勤務条件について必要があると認めるときは、人事院に対し、人事院規則を制定し、又は改廃することを要請することができることとなった(国公108の5の2)。

 地方公共団体の人事委員会にも、人事院とほぼ同様の勧告権が与えられている(地公8〔1〕IV、39〔4〕、40〔2〕、47)。

 ところで、国家公務員制度改革基本法(平成20年法律第68号)では、自律的労使関係制度を措置する旨を定めているので(国家公務員制度改革基本法12)、新たな制度となった場合には、人事院及び地方公共団体の人事委員会の行う勧告制度に、変更が生じることが考えられる。

*『最新行政大事典』2020年2月より。(NPO法人 フォーラム自治研究 小林禮齊)
(有償版は本文に加え、法令へのリンク機能があります)

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