【特別企画】納税者の利便性向上と事務効率化を求めて―転換期の電子納税システムに対応しペイジーを導入 埼玉県さいたま市

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2019.06.13

【特別企画】納税者の利便性向上と事務効率化を求めて―転換期の電子納税システムに対応しペイジーを導入 埼玉県さいたま市
月刊「ガバナンス」2019年5月号

 さいたま市が納税者の利便性向上と事務効率化を目的として、市税をインターネットやスマートフォン等で納付できるペイジーの導入に踏み切ったのは2018年4月。収納手段の多様化を模索するなかで、他の政令市の利用実態や市民意識の調査を経て決断、決定からわずか1年あまりでスタートに漕ぎつけた。すでに利用者からは好反応を得て、市は確かな手ごたえをつかんでいる。

公債権確保と収納率向上│成長する政令市の課

 都心に近いこともあり、近年、全国の「住みやすさランキング」で上位にランクアップしているさいたま市。03年4月に人口105万人で政令市に移行したが、それからわずか15年余の18年11月には130万人を突破した。市では人口増に対応すべくインフラなど大都市行政の充実と市民サービスの向上に努めているが、一方では安定的な歳入確保も課題となってきた。

 そうしたなかの08年9月に起こったのがリーマン・ショックだった。「その影響で市税等の債権回収率が低下したことを受け、市は『債権回収対策本部』を設置し、11年には税務部の徴収に関する高額・困難事案を独立させて債権整理推進室(当時、現在は部)を立ち上げるとともに、区の保険年金課所管だった国保税も含めて債権回収の一元化を図ることになりました」と、さいたま市財政局債権整理推進部収納対策課主査の桑原清動さんは組織改革の経緯を語る。

 債権回収対策本部で管理している26種の市債権のなかでも、市税の収納率向上は重要な位置付けを与えられていた。

 組織機構改革と効率的な回収対策の実施は着実な成果を生んだ。08年度の市税収納率が現年分98.0%(滞繰分23.5%)、国保税は現年分85.0%(滞繰分11.8%)だったのに対し、17年度には市税が現年分99.3%(滞繰分36.7%)、国保税は現年分89.0%(滞繰分20.5%)と数値は着実に上昇した。

ペイジー先行導入市と市民への意識調査を実施

 だが、まだ万全とはいえなかった。次のテーマに上がったのが、多様化した社会生活に対応できる電子納税手段の確保だった。自宅PCや外出先のスマートフォン、金融機関のATMを使って24時間いつでもどこでも納付が可能な電子納税手段であるペイジー(Pay│easy)もその有力な選択肢のひとつとして浮上。収納消込を即時に行うことができ、領収済通知書の保管場所が不要な点も事務効率化に資すると考えられた。

 他の政令市ではすでに半数がペイジーを導入していたことから、導入済みの政令市を対象として16年7月にアンケート調査を実施。寄せられた回答には、「納期内納付率が向上した」、「納税者の利便性が向上した」、「24時間対応の収納チャネルに対する苦情がなくなった」、「全国の郵便局で納付可能となり、選択肢が増えた」「即時の消込情報により納付確認を早く行うことが可能となった」などの声が記されていた。

 ほぼ同時期の9月、市長公室広聴課が毎年実施している「インターネット市民意識調査」でも市税の納付方法の多様化について尋ねたところ、「ペイジーを導入してほしい」という意向を持つ市民が46%と半数近くを占めた。なかでも19歳〜29歳の若い世代は60%と高い要望を示していることがわかった。

準備期間1年でスタートに漕ぎつける

 これらの結果に意を強くした債権整理推進部はペイジーの導入を決断。「電子納税は時代の要請ですから、18年度当初からクレジット収納とともにスタートさせる方向を打ち出し、システム改修費用や共同利用センターの接続費用を17年度分で一気に予算要求したのです」と同部収納調査課主査の井染謙一さんは語る。他政令市の導入実績や市民の意向が後押しとなり、手数料コストを上回る収納率の向上が期待できるというトップ層の判断もあって予算は確保され、導入準備が始まった。

ペイジーを導入したさいたま市と担当職員の方々
さいたま市財政局債権整理推進部収納対策課主査の桑原清動さん(左)と同部収納調査課主査の井染謙一さん。

 17年4月、共同利用センター接続に対する事業者の企画提案を受けて6月に契約を締結。庁内では関係部署がワーキングチームをつくって課題の洗い出しと対応を急いだ。取扱金融機関は指定金融機関の埼玉りそな銀行がとりまとめを行ってくれたことで、都市銀・地銀・信金信組・JA・ネット銀行まで31行が参加することになった。対象税目も、市・県民税(普通徴収)、固定資産税・都市計画税、固定資産税(償却資産)、軽自動車税、国民健康保険税、法人市民税、市・県民税(特別徴収)、事業所税、市たばこ税を網羅できることになった。仕様書作成、ベンダーや運営主体の日本マルチペイメントネットワーク運営機構との調整、システム・テスト等もスムースに進んでいった。

 準備は順調に推移したかに見えたが、「帳票の作成には最後まで苦労しました」と井染さんは振り返る。

 ある大手行の帳票レイアウト上の印字位置が微妙に合わなかったため、修正と校正を繰り返し、調整が終了したのはようやく1月下旬になってから。18年4月1日スタートにはぎりぎりのタイミングになっていた。

出だしは順調、膨らむペイジーへの期待

 スピード導入にもかかわらず、予定どおりスタートしたさいたま市のペイジー。初年度の集計は出ていないが、「インターネット市民意識調査」(18年12月実施)では、ペイジーの認知と利用について早くも市民に尋ねている。

 その結果、「ペイジーの収納サービス導入を知っている」と答えた人は36%、「利用して納付した」と答えた人は4%だった。まだ高いとは言えないが、30代男性の認知度が52%に上っていることや利用者の95%が「便利だった」と評価していることから、今後の利用に期待が膨らんでいる。課題だった納期内納付率も19年1月末現在で市・県民税等4税が対前年度比の件数ベースで0.55%上昇した。納税者にとって納めやすい環境を整備したことがこの実績につながっているといえる。

 2019年10月には消費増税とeLTAXのシステム更改に合わせた「地方税共通納税システム」のスタートが予定されている。納税者の税に対する関心が一層高まるなかで、地方税実務者にとってはそれらへの的確な対応が焦点となる。「これを機に、ペイジーを含めた電子納税のあり方を見直す自治体も多いのではないか」と井染さんは語る。市債権整理推進部収納調査課長の小林孝範さんは、「納期内納付の促進及び収納率の向上を図るため、ペイジーの利便性をPRし、納付機会の拡大を検討していきたい」と話している。

 電子納税システムの絶えざる進化は、自治体に対して納税者の利便性向上と事務効率化という二兎を追うことをこれからも求め続けることになるだろう。
※肩書きは、2019年3月現在のものです。

これがペイジーの3大メリット!

1.24時間、自宅から納付できるので、住民の方に優しいサービスです。
2.支払い手段が増え、収納率の向上につながります。
3.収納済通知書の電子化により、収納事務が格段に効率化されます。

資料請求、お問い合わせはこちらまで
日本マルチペイメントネットワーク推進協議会・日本マルチペイメントネットワーク運営機構
choshu-ryoku*jampa.gr.jp (*に半角アットマークをいれてください)

日本マルチペイメントネットワーク推進協議会のウェブサイト:

・協議会URL https://www.jampa.gr.jp/

・ペイジーURL https://www.pay-easy.jp/

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