危機管理術 地震編1 パニックにならない

NEW地方自治

2019.03.18

知っておきたい危機管理術 第1回 地震編1 パニックにならない

『地方財務』2012年4月号

東大地震研が首都直下型の地震が震度「6強」から「7」となる可能性があると発表した。あなたは地震発生時どう行動すべきか。まず、「生き抜くこと」が最優先である。すぐには誰も助けにきてはくれない前提で考えるべきである。

自宅を防衛しよう!

経済的に余裕のある人は自宅を免震構造に切り替え、震度7を震度4程度に緩和可能とする(新築:約300万円、中古住宅:約1000万円)。経済的に余裕のない場合は耐震シェルターを薦めたい。鉄筋でできた小型の物置を想像すればよい。自宅内や庭に設置し、自宅が倒壊しても生命は助かる手立てを図る(約25万円程度で可能)。

東京ドームで野球を観戦

東京ドーム周辺の景観

スタジアムは震度7でも大丈夫なように設計されているので席を動かない。パニックになって入口へ殺到することで圧死するリスクを避けるべきである。巨人戦は5万人程度が観戦している可能性があるのでパニックになりやすい。阪神淡路大震災のとき、グリーンスタジアム神戸や甲子園球場はほとんど無傷であったことを思い出すべきである。ちなみに東京ドームは、屋根が落ちても止まるように設計された「エアー・サポーテッド・ドーム」であり、火災に対しても空気圧式システム、排煙システムが備えられている。ほかの球場やサッカー場も多かれ少なかれ、東京ドームに近い耐震システムが施されていると考えてよいと思われる。

地下鉄の大江戸線・六本木駅にいた

都内でももっとも深い地下鉄で地下42メートルにある六本木駅。閉じ込められないかとのパニックとの戦いになる。駅は震度7の地震に耐えられるように設計されているが、地下鉄には新幹線のように地震を感知して列車が自動的に停止するシステムがとられていない。運転士の判断に任されているが、運輸司令所の中央防災室がサポートすることになる。急停車し脱線の可能性はあるが、車両とトンネルの壁との間隔が狭いので横転の可能性はほとんどない。地上の列車よりは安全である。車内の非常用バッテリーが機能すれば予備灯で「暗闇の恐怖」から解放される。その後、乗務員の誘導のもと最寄り駅の出口を目指すことになる。冷静な対応が求められる。心理的なパニックが最も怖い。

首都高速道路を走っていた

高速道路での自動車の走行中

阪神淡路大震災のとき、阪神高速道路の高架橋がいとも簡単に倒壊した。その後、首都高速道路でも耐震工事がなされたが、震度7のレベルに耐えられるかは未知数である。震度5以上で全線通行止めとなるが、ピーク時は3万台の車がひしめき合っている。真っ先にすべきは、ハザードランプの点灯、次に前後の車の動きに注意してゆっくりと速度を落とし、道路の端に寄せる(緊急車両を優先させる)。急ブレーキは禁物。ラジオのスイッチを入れて情報を入手する。状況によっては車を降り、徒歩で非常口を目指す。非常口は1キロごとにある。トンネルでは400メートルである。車を離れる際は、キーはつけたまま、窓は閉め、貴重品は持ち、連絡先を書いた紙を貼り、ドアはロックしない。橋げた落下以上に危険なのはパニック。暴走行為による車の衝突からの火災の発生である。電光掲示版等の落下にも注意。レインボーブリッジ等の橋で車を止めた場合、最新の耐震技術が施されているので、震度7でも崩れ落ちる心配はないとされている。

超高層ビルのレストランにいた

新宿副都心周辺のオフィスビル

日本の超高層ビルは、地震や強風による揺れで窓ガラスが破損しないよう「カーテンウォール工法」を採用している。阪神淡路大震災でも、神戸市内の超高層ビルではガラスの飛散はなかった。超高層ビルの間で、プレート間地震の場合は、長周期の揺れのため共振が起こり、長い間大きく揺れる。東日本大震災の際も、東京の新宿地区にある超高層ビル間では共振が起こった。内陸直下型の場合、揺れの周期が短いため、共振は起こらない。多くは免震装置が施されているので、冷静に対応しよう。

旧式のビルのオフィスで働いていた

旧式のビルの場合は、ガラスが凶器となるので、窓際から離れて机の下へ避難する。ビル内の避難経路をあらかじめ把握しておこう。ロッカーや本棚の倒壊に注意する。家族の安否をどのように知るか。家族との連絡は災害用の伝言ダイヤルを使用するべきである。直接の会話方式ではなく、電源蓄積装置を通じてメッセージの発信は「171−1−市外局番からの番号」、再生は「171−2−市外局番からの番号」である。携帯電話も可能である。録音時間は30秒に限定され、2日間保存される。家族と連絡が取れたら、無理をせず会社にとどまった方がよい。

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