連載 vol.79「つながる」力 やる気に不可能なし! ── 「つながり」と挑戦の軌跡 【同前嘉浩(岡山・備前市職員)】

地方自治

2023.08.18

目次

    本記事は、月刊『ガバナンス』2020年10月号に掲載されたものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、現在の状況とは異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。
    所属等は執筆(掲載)時点のものです。
    ※本コラムは主に自治体職員によるネットワークのメンバーがリレー形式で執筆します。

     私は、いま自分の成長を大きく感じている。というのも先日、地方公務員アワード2020と循環のみち下水道賞を受賞したからだ。なぜこのような賞をいただけたのか。それは間違いなく「人とのつながり」であろう。

     民間建設会社を経て市役所に入庁し、15年目までは、目の前の技術系の業務に、ただ全力で向かっていただけだった。しかし、技術職員でありながら異例の観光推進係に異動となり、その1年半の経験が自身を大きく成長させたと感じている。観光推進では、それまでとは違う異業種の方々と「つながる」ことができた。備前焼作家、漁協、経営者など、それぞれの分野で未来のために自分達に何ができるかという視点で活動する姿に魅了された。そういった方々の熱い思いに感化され、私自身も未来のために何ができるかを考えながら業務に取り組むようになった。

     その後、下水道課に配属され、事業の負債で市を破綻させてしまうほどの危機的経営状況に気付いた。そこで私は市の未来のために下水道事業の改革を決意した。改革には、能力の向上と周囲の信頼が必要と考え、難関とされる技術士の資格取得に挑戦した。これがきっかけで、岡山県技術士会の勉強会に参加するようになり、技術界の最先端で活躍している方々との新たな「つながり」ができた。これにより資格取得の知識だけでなく、技術論や技術を活かした社会貢献など、多角的な考え方も学べた。

     こうした「つながり」と挑戦で、人間的にも技術的にも成長させていただき、技術士試験に合格、事業の改革も成功した。何度も諦めかけたが、つながってきた方々を思い出したり、SNSで活躍する姿を拝見する中で勇気付けられながら、未来を見て挑戦してきた結果が今回の受賞につながった。

     このように私を成長させてくれた「つながり」に感謝しながら、また新たな「つながり」を大切に今後も成長と未来への挑戦を続けたい。

     最後に、私が最も影響をうけた言葉「やる気に不可能なし!」を紹介し、今後も万事全力への宣言としたい。

     

    (岡山・備前市職員/同前嘉浩)

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