連載 vol.36「つながる」力 業務と業務、業務と人のつながりをイメージする 【及川慎太郎(北海道・北見市職員)】
地方自治
2022.04.25
本記事は、月刊『ガバナンス』2017年3月号に掲載されたものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、現在の状況とは異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。
所属等は執筆(掲載)時点のものです。
※本コラムは主に自治体職員によるネットワークのメンバーがリレー形式で執筆します。
関わる人の想いをつなぎ、形にしていく道のり
北見市役所で窓口業務の改善に携わっている。ご縁から依頼をいただいたので、つながりの視点から取り組みを紹介したい。
当市では職員WGやPTの検討を経て、現在は窓口関係課長級の庁内会議を中心として進めている。私は事務局という立場である。
窓口は市民と役所の接点であり、多くの部署と多数の職員が関係し、制度も多岐に渡る。業務のつながりと人のつながり、二つのつながりを意識しながら、業務の流れや情報を分解・整理していく。それは、関わる人の想いをつなぎ、形にしていく道のりと感じている。
これまで、アナログ式の手続きチェックシートや「かんたん証明申請」など、現場の職員が横に連携し、利用者目線の試行錯誤を積み重ねて生み出してきた。
当たり前かもしれないが、どんな仕事でも一人では何もできない。組織としての会議体や関係部署の皆さん、そして現場の横のつながりに助けられている。何かを変えるときは必ず一時的に作業が増える。日々様々な人々に作業をお願いし、助けられ、ひとつずつ前に進んでいる。縦と横で目的を共有し、情報を行き届かせること、そして足で動くことが大切と思う。これがなかなか難しく、作業に追われているときこそ肝に銘じたい。
形が見えないものは現場で意見が割れることもあった。そんなとき、自分たちがどんな窓口にしたいのか、どうなっていたいのか、関わる人で目的やイメージをつなぎ直すことが大切と感じている。現場で職員が見つけた小さな引っかかりを集め、スモールスタートで効果を実感しながら横に広げていく。現場で実務する人と整理する人、両輪の役割が重要に思う。
業務を通じて各地の自治体職員ともつながりが生まれ、励みとなっている。
北見市では申請書様式のフレーム化など、基本となる考え方から整理している。今後も一職員としてできることをやり、ひとつひとつを横展開して運用に乗せ、次につなげていきたい。
(北海道・北見市職員/及川慎太郎)