連載 コミットメント ── 他責から自責文化の自治体職員 第2回 活き活きと輝く大人でありたい【唐木 玲(長野・伊那市職員)】
地方自治
2021.09.21
本記事は、月刊『ガバナンス』2016年7月号に掲載されたものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、現在の状況とは異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。
所属等は執筆(掲載)時点のものです。
※本コラムは主に早稲田大学マニフェスト研究所人材マネジメント部会の修了生(マネ友)のメンバーがリレー形式で執筆します。
活き活きと輝く大人でありたい
自分自身は、どういう状態でありたいのか。
例えば、仕事のこと。組織の中で、目の前に敷かれたレールに乗り、動力のない客車のように機関車に引っ張ってもらう。分岐点では、遠隔操作で行き先を定めてもらい、停車する駅も自分で決めることはない。これを仕事と呼ばず、作業と評することもある。
ここで私が大切にしたいのは、その人が活き活きと輝いているかどうか。そして、本当の笑顔でいられるかどうかだ。
いわゆるキャリア教育の取組みを職業体験だけで終わらせず、地域で輝く大人の生き様や思いを子どもたちと共有共感することで醸成される郷土愛につなげる地元のプロジェクトに携わって、1年弱。産学官が連携して、地域の将来を担う人材を共に育てる壮大な取組みに、時に圧倒されながらも、共感を深める日々を過ごしている。
ここで出会う大人は、明確なビジョンを持ち、目指す姿に向かっていて、大人の立ち位置からみても活き活きとして輝いている。常に、優しい笑顔を絶やさない。そして、子どもたちの前で自分自身をさらけ出して語る。
何より、輝く大人と出会って一番刺激を受けているのは私自身だ。この出会いは、私たちが生活するこの街を輝かせてくれると共に、この街を誇りに感じ、好きにさせてくれる不思議な体験だ。
地方で生活する者として、地方創生とは地域で活き活きと輝く人材を増やすことだと考えている。そのお手本となる人は、どの街にも必ずいるはず。
そして、これは他人事ではない。地域づくりの一翼を担い、地域住民の安心安全を守るという貴重なミッションを最前線で遂行する市役所の職員こそが、活き活きと輝き、笑顔を絶やさないでいることが、大切なのではないか。
自らが、周囲に刺激を与えて、この街のことが好きになる人を増やしていきたい。
(長野・伊那市職員/唐木 玲)