連載 vol.20「つながる」力 つながりは、次のつながりへ 【和田祐哉(愛知・豊田市職員)】
地方自治
2021.11.15
本記事は、月刊『ガバナンス』2015年11月号に掲載されたものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、現在の状況とは異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。
所属等は執筆(掲載)時点のものです。
※本コラムは主に自治体職員によるネットワークのメンバーがリレー形式で執筆します。
つながりは、次のつながりへ
毎年8月末に、名古屋市で「にっぽんど真ん中祭り」が開催される。観客動員数200万人のこの祭りにおいて、愛知県内の自治体職員が毎年、運営のボランティアをしている。私は6年前に愛知県庁の金田学さんからのお誘いで参加させていただき、そのつながりをきっかけとして、参加者有志による愛知県若手公務員交流ネットワーク「AI_World」を設立した。
当初7人の有志しかいなかった当団体も、5年が経過したいまでは30機関、200人で構成されるまでに膨らんだ。団体の名称は以下の2点に由来する。①愛知県の「ヒト」と「モノ」に出会い(AI)、自分の世界(World)を広げる。②愛知(AI)から世界(World)へ情報・魅力を発信する。数か月に1回、幹事自治体へ参加者が集まり、まちづくりの現場を通じて、その自治体の施策や課題を学んでいる。講義やグループワークの中で見識を深め、懇親会を通じ参加者間のつながりを広げている。
これまでに、豊田市、長久手市、豊明市など8自治体で開催しており、県内全ての自治体開催を目標としている。他にもBBQやハロウィンパーティー等の交流企画、有識者による講演会、自治体職員が行う就活生向けの仕事紹介講座などの特別企画がある。
組織が大きくなると課題も出てくる。交流企画のみの参加者をどのように勉強会に呼び込むか、設立メンバーも結婚や子育てという人生のステップを踏んでおり世代交代をどう図るか、などだ。しかし、企画を重ねる中で、運営をしてくれる仲間が増えてきているので、この問題はいずれカバーできていくのでは、と考えている。
数人のメンバーの力量に依存した体制では団体維持に限界があるため、参加者がやりたい企画を、実現させる側に転換するという組織風土を今後も堅持していきたい。現在、「AI_World」は、活動を通じて知り合った東海若手公務員ネットワーク「MAG☆NET」と共催企画を立案中だ。愛知県、三重県、岐阜県の自治体職員のつながりで何を創造できるか、また皆様に報告をしたい。
(愛知・豊田市職員/和田祐哉)