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自治体最新情報にアクセス|DATABANK2021 月刊「ガバナンス」2021年2月号
地方自治
2021.02.26
目次
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(月刊「ガバナンス」2021年2月号)
●産学官連携で心不全啓発キャンペーンを実施
愛媛県(136万9100人)は、愛媛大学およびノバルティス ファーマとともに20年11月15日〜21日を「循環器病対策推進週間」として設定し、県民へ向けて心不全を中心とした循環器疾患の啓発キャンペーンを実施した。県民に対して心不全への理解を深め、心不全の増悪の予防や早期受診などにつなげるのが目的。
全国での心不全死亡率が女性1位、男性2位の同県では心不全への対策が喫緊の課題となっていたことから、7月に3者で産学官連携協定を結んで継続的な活動を開始した。啓発キャンペーンはその一環として取り組んだもので、心不全に関するテレビCM・新聞広告・市電中吊り広告の実施、官公庁や医療機関等への心不全啓発ポスターの掲示、LINEのグループ機能を活用した心不全に関わる総合的なデジタルソリューションの展開などを行った。
(月刊「ガバナンス」2021年2月号・DATA BANK2021より抜粋)
●「おてらおやつクラブ」とひとり親家庭支援の協定を締結
奈良県田原本町(3万1900人)は、NPO法人「おてらおやつクラブ」と「ひとり親家庭への支援に関する協定」を締結した。「おてらおやつクラブ」は、全国のお寺と支援団体、檀信徒、地域住民が協力して貧困問題の解決を目指す団体で、お寺にお供えされている様々な「おそなえ」を、仏様からの「おさがり」として頂戴し、子どもをサポートしている支援団体の協力のもと、経済的に困難な状況にある家庭へ「おすそわけ」している。
同協定では、町が役場窓口や広報誌などで実施するひとり親家庭への情報提供の一環で「おてらおやつクラブ」を紹介、希望する家庭に「おすそわけ」などを届ける。また、両者が協議して地域の見守りを作るために必要な企画などを立案、実施していく。
(月刊「ガバナンス」2021年2月号・DATA BANK2021より抜粋)
●「持続的で生産性の高い滋賀の農業推進条例」を制定
滋賀県(142万900人)は、20年12月に「持続的で生産性の高い滋賀の農業推進条例」を制定した。多様な農業者が意欲と誇りをもって農業を営み、琵琶湖等の環境が農の営みによって良好に維持されているなどの姿を目指し、その実現に向けた環境整備を基本理念に掲げ「生産力の向上」と「環境保全への配慮」を柱に、主に生産面に焦点をあてた施策の基本的事項を定めているのが特徴。
条例は全18条。基本理念を定めた上で、県の責務と農業者等や関係団体、県民の努力を明記。生産力向上の具体的施策として、農地の土壌調査・改善と有効活用による生産力の最大化、消費者等の需要に対応した農産物の生産の促進、農作業効率化のための情報通信技術等の活用の調査研究・普及、主要農作物の優良な種子の安定生産・供給、主要農作物等の品種の育成、近江の伝統野菜の保護、多様な農業者の確保・育成、気候変動への適応のための品種や技術の調査研究などについて規定。環境保全に配慮するための施策として、環境こだわり農業の推進をはじめ、農業生産活動に伴って生ずる濁水の流出防止と廃プラスチックの排出抑制に関する啓発、技術の普及等を規定している。21年4月1日に施行する。
(月刊「ガバナンス」2021年2月号・DATA BANK2021より抜粋)
●児童相談所の体制強化・運用改善などについて新たな取組みを発表
兵庫県明石市(30万4000人)は、児童相談所の体制強化や運用改善などについて、「こどものための一時保護の在り方に関する検討会」を設置し、第1回検討会を20年11月に開催した。
検討会では「面会は原則自由であるべきもの」、「通学は当然可能であるべきもの」との方向性が改めて示されるとともに、着実な実施のためには「人員強化が不可欠」であることも確認された。これらを受け、現在まさに一時保護中の子どもについても、上記方向性について早急に対応する必要性があることなどから、市は、「こども通学・面会等支援課」を新設し、職員3人を配属。組織体制の強化を行い、運用を改善することとし、新たな取組みを発表した。また「内部検証が不十分」との強い指摘も受けていることから、改めて新たな体制で検証を行うとしている。新たな取組みは以下の4つ。
①面会機会の確保
②全員通学の実現
③組織体制の強化
④内部検証のやり直し
このうち①については、子どもにとって面会は原則自由であることを前提に、日時などの柔軟な調整により面会等の機会を確保することにしている。
(月刊「ガバナンス」2021年2月号・DATA BANK2021より抜粋)
●「東京パラリンピック22競技“できる”宣言」を開始
東京都江戸川区(70万100人)は、誰もがスポーツに親しむことができる社会の実現に向けて、全国初となる「東京パラリンピック22競技“できる”宣言」を20年12月に行った。区ではこれまで、東京2020大会で実施されるパラリンピック22競技の全てについて、区内のスポーツ施設などで試合やトレーニングが実施できる環境を整備してきた。
同宣言に基づき、東京パラリンピック22競技が区内のどこの施設でできるか、競技ごとにその詳細を区HPで公表。総合体育館やスポーツセンターなどを実施場所として紹介している。また、区立スポーツ施設の「一般公開」に、車いすラグビー、車いすバスケ、ゴールボールの3競技を新たに追加。障害者専用の施設以外で定期的に公開の時間帯を設け、各競技のチームや団体に運営をサポートしてもらう体制も整えた。今回の宣言を契機に、スポーツを通した共生社会の実現に今後も取り組んでいきたいとしている。
区では、16年に障害者スポーツの環境向上を目的に、都内で初の障害者スポーツ専担の係を設置。また、東京2020大会の開催に向け、17年にはオランダ王国のホストタウンとなり、オランダのパラリンピアン等と交流を深めてきた。
(月刊「ガバナンス」2021年2月号・DATA BANK2021より抜粋)
●猫飼養での飼い主等の義務を強化した条例を制定
沖縄県竹富町(4300人)は、20年12月11日に「ねこ飼養条例」を全面改正した「猫飼養条例」を制定した。
町は、町内に生息しているイリオモテヤマネコなど世界的に貴重な自然野生生物が、放し飼い猫やノラネコなどで脅威にさらされていたことから、01年に「ネコ飼養条例」を制定して飼い猫の登録の義務化などを規定。さらにイリオモテヤマネコ保全を主眼とした西表島特有の独自ルールを設けるために08年に同条例を「ねこ飼養条例」に全面改正し、西表島の飼い猫全頭へのマイクロチップ装着の義務化や猫白血病など特定感染症の検査の義務化などを定めた。今回の全面改正は、イリオモテヤマネコだけでなく西表島を含めた全町域の島々の貴重な自然や野生生物の持続的かつ高い次元での保全を図るために規制を強化した内容となっている。
具体的には、西表島においては、「10頭まで」としていた飼い猫の多頭飼養の制限を「最大5匹を超えてはならない」と厳格化。また、観光客などによる猫の持ち込みを禁止としている。
一方、全町域においては、「飼い猫以外へのみだりな餌やり禁止」を「屋外にいる猫へのみだりな餌やり禁止」とし、「猫の登録義務と首輪などによる所有明示の努力義務」を「マイクロチップを装着して町に登録する義務」と規定。また、室内飼養・繁殖制限・継続飼養において「努力義務」としていた内容を「義務」規定に引き上げるとともに、新たに「屋外への逸走防止の義務」を定めて、飼い主の責任を強化した。禁止規定の違反者や措置命令に従わなかった者等に対しては、5万円以下や2万円以下の過料に処する罰則規定も設けている。
条例は、西表島に関しては21年4月1日より施行し、それ以外の島嶼では22年4月1日より施行する。
(月刊「ガバナンス」2021年2月号・DATA BANK2021より抜粋)
●「切手でふるさと納税」を開始
(左は小園拓志町長。)
長野県御代田町(1万5800人)は、20年11月から「切手でふるさと納税」を開始した。未使用の切手を寄附してもらい、その額面をふるさと納税として受け付ける取組み。原則、返礼品はないが、スタート記念として先着100人を対象に5万円以上でクラフトバッグ、1万円から5万円未満でポストカードを贈るキャンペーンを実施した。切手を用いたふるさと納税は全国初。
寄附が可能なのは額面1円以上で、1紙片が10枚以上のシート状のもの。寄附は町のHPからアクセスできる専用サイトから申し込む。町が委託した専門事業者のハピネスポッド社が切手を査定して寄附額を確定し、町は寄附者に寄附証明書等を送付する。寄附された切手は町役場の封筒に貼付して郵送に使用する。
封筒への切手の貼付作業は、就労継続支援として町内のやまゆり共同作業所が行う。
(月刊「ガバナンス」2021年2月号・DATA BANK2021より抜粋)