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【2年間の活動を終了】人口戦略会議が最終アピール/イベントレポート

地方自治

2025.10.17

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【ガバナンス・トピックス】
人口戦略会議が最終アピール──人口戦略会議が2年間の活動を終了

民間の有識者らで構成される「人口戦略会議」(議長=三村明夫・日本製鉄㈱名誉会長)は、都内で記者会見を開き、2年間の活動の終了を発表した。中長期的視点から問題に粘り強く取り組むことや政府に司令塔組織を設置することなどを求める最終アピールを行った。

最終アピールでは5つの提言

人口戦略会議のこれまで

 同会議は2023年7月に設置。2024年1月には「『人口ビジョン2100』―安定的で、成長力ある『8000万人国家』へ―」を取りまとめ、人口減少に関する課題とこれから取り組むべき人口戦略を提言した。さらに、同年4月には、人口戦略シンポジウムを開催し、「地方自治体『持続可能性』分析レポート」を報告し、全国1729自治体の4割にあたる744自治体で20~39歳の女性人口が50%以上減り、消滅する可能性があるとの分析結果(消滅可能性自治体)を公表。「人口戦略と『共育(ともいく)社会』の推進に向けて」と題するアピールも行った。

2年間の総括と5つの最終提言

 今回の会見には、三村議長のほか、増田寛也副議長(㈱野村総合研究所顧問)、同会議メンバーの翁百合・㈱日本総合研究所シニアフェロー永瀬伸子・大妻女子大学教授らが出席。2年間の同会議の活動を振り返り、最終アピールをした。

 三村議長は、この間の国や社会の人口減少への取り組みを総括し、「異次元の少子化対策」や「地方創生2.0基本構想」など人口減少を正面から受け止めたことを評価しつつも、「事実に即した冷静かつ客観的な議論を行い、中長期的視点から粘り強くこれからも取り組んでいくことが重要」と訴えた。

 さらに、最終アピールとして、

①“根拠なき楽観論”と“戦略と実行なき悲観論”は、ともに排除されるべき
②「定常化戦略」と「強靭化戦略」は、同時に推進されるべき“車の両輪”
③政府や立法府が果たすべき責務は大きい
④民間、地域の取組みが必要不可欠である
⑤私たちは、「未来」を選択することができる

──の5つの最終提言を行った。

 同会議は、「人口を増やすといった実現不可能な目標ではなく、少子化の流れを変え、人口減少動向を緩和させることにより、将来的に人口を安定化させることである。これなくして、わが国の社会経済の確固たる将来像は見出し得ない」と強調。とりわけ、政府が果たす責務は大きいとし、早急に「人口問題審議会」を含め司令塔組織を設置し、中長期的な国家ビジョンを策定することを提言。あわせて、国会に常設の調査会を設置し、超党派で審議すべきだとも訴えた。

人口減少対策のこれから

 三村議長は、「人口減少対策はまだスタートラインに立ったばかり。国民一人ひとりが“我が事”として取り組む必要がある」と引き続きの運動の重要性を述べた。

 最後に増田副議長が、同会議の議論や取り組みを引き継ぎ、さらに発展させる新たな組織を10月を目途に立ち上げ、提言活動を続けることも明らかにした。

会見の様子
三村議長、増田副議長らが会見。「国民一人ひとりが『我が事』として捉え、意識を共有することが重要だ」と述べた。

(本誌/浦谷 收)

 

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