財政課の1年
財政課の1年 11月編 はじめて財政課に配属されたあなたへ!11月の業務をおさらい!
ぎょうせいの本
2023.11.01
本記事は、月刊『地方財務』2022年11月号に掲載されたものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、現在の状況とは異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。
秋が深まってきました。
1日1日、少しずつ日が短くなり、確実に冬が近づいてきます。財政課の真価が問われる季節です。
いつでも(昔も今も)、どこでも(都市部でも地方でも)、予算編成は大変です。簡単に当初予算が作れたことなど、今までもなかったでしょうし、きっとこれからもありません。
なんとか切り詰めようと、目の前の数字ばかりを追いかけていると、なにやら被害者意識にとらわれるときがあるかもしれません。「どうして財政課だけがこんなに苦労しなければいけないのか」「所管課がもっと要求額を絞ってきてくれていればこんな思いはしないで済むのに」「企画部門は新規事業をどんどん始めるけれどお金のことを意識しているのか」「財政状況が厳しいことをどこの課もわかっていない」……、といった感じです。
こんなネガティブな思考では、いい仕事はできないのではないでしょうか。所管課も、財政課を苦しめようとしているわけではなく、厳しい財政状況も理解したうえで必要と考える額を要求しているのです。意味のあるお金の使い方をして、少しでも地域をよくしたいという気持ちは一致しているのですから、要求内容を否定的にみるより、どうしたらいい予算ができるかという方向で考えたいところです。それに、もし役所内部に正しい財政状況が伝わっていないのだとすれば、その責任の大きな部分は財政課にあります。
所管課とぶつかるところは当然出てくるでしょうけれど、苦しいときこそ力を合わせて乗り切りたいものです。
当初予算ヒアリング
補正予算編成時にもヒアリングは行っていたと思いますが、補正のときは対象となる課はそれほど多くなかったはずですし、項目も限られていたでしょう。当初予算編成に向けてのヒアリングはやり方がガラッと変わります。時間的な制約もありますので、しっかりと心構えをして臨む必要があります。
■事前準備
ヒアリングを意味のある場とするためには、事前準備が非常に大切です。予算要求書を隅々まで読み込んでおきましょう。ヒアリングに向けての主なポイントは以下のようになろうかと思います。
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