最新法律ウオッチング

月刊「地方財務」

最新法律ウオッチング―行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律等の一部を改正する法律(2023年6月9日から1年3か月以内に施行)

自治体法務

2023.10.05

※2023年8月時点の内容です
最新法律ウオッチング 第125回 マイナンバー法等の改正
(『月刊 地方財務』2023年9月号)

行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律等の一部を改正する法律

 2023年の通常国会において、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(マイナンバー法)等の一部改正法が成立した。

 新型コロナウイルス感染症等により、社会における抜本的なデジタル化の必要性が高まっている。

 政府は、このような状況を踏まえ、デジタル社会の基盤であるマイナンバーとマイナンバーカードの利用の推進に関する各種施策を講じ、もって国民の利便性の向上と行政運営の効率化を図ることを目的として、前記の改正法案を国会に提出し、成立した。

マイナンバー法等の改正

●マイナンバーの利用範囲の拡大等
 個人番号(マイナンバー)等の利用に関する施策について、社会保障制度、税制、災害対策に関する分野以外の行政事務においても利用の促進を図ることとした。なお、具体的な利用事務の追加については、従来どおり法律改正で行われることとなっている。

 また、理容師・美容師、小型船舶操縦士、建築士等の国家資格、自動車登録、在留資格に係る許可等に関する事務において、マイナンバーの利用を可能とし、各種事務手続における添付書類の省略等が可能となった。

 さらに、法律でマイナンバーの利用が認められている事務に準ずる事務(事務の性質が同一であるものに限る)についても、マイナンバーの利用を可能とするとともに、法律でマイナンバーの利用が認められている事務について、主務省令に規定することで情報連携を可能とした。

●個人番号カードと保険証の一体化
 個人番号カード(マイナンバーカード)の本人の写真について、申請の日において本人の年齢が主務省令で定める年齢に満たない場合は表示しないこととした。

 また、健康保険法等を改正し、健康保険の被保険者等がマイナンバーカードを用いたオンラインによる資格確認を受けることができない状況にあるときは、被保険者等は、保険者等に対し、資格に係る情報を記載した書面(資格確認書)の交付や電磁的記録による提供を求めることができることとした。国民健康保険法や、高齢者の医療の確保に関する法律の後期高齢者医療制度の規定における「被保険者証」の文言は、削られた(なお、健康保険については、「被保険者証」は、健康保険法ではなく、省令で規定)。

●個人番号カードの普及・利用促進
 在外公館で、国外転出者に対するマイナンバーカードの交付や電子証明書の発行等に関する事務を可能とするとともに、市町村から指定された郵便局でも、マイナンバーカードの交付申請の受付等ができることとした。

 また、暗証番号の入力等を伴う電子利用者証明を行わずに、利用者の確認をする方法の規定を整備した。

●戸籍等への氏名の振り仮名の記載
 戸籍、住民票等の記載事項に氏名の振り仮名を追加するとともに、マイナンバーカードの記載事項等に氏名の振り仮名を追加した。

●公金受取口座の登録促進
 行政機関の長等が預貯金口座情報等を保有している場合に、書留郵便等により預貯金者に対し一定の事項を通知して同意を得たときや、一定期間を経過するまでの間に回答がなかったときは、内閣総理大臣は、当該預貯金口座情報を公的給付支給等口座としてマイナンバー等とともに登録することができることとした。

●施行期日
 この法律は、一部を除き、公布の日(2023年6月9日)から1年3か月以内で政令で定める日から施行される。

国会論議等

 国会では、マイナンバーの利用範囲の拡大に伴うデータマッチング等の危険性について質問があり、政府から、マイナンバーは、ほかの識別子に比べて識別強度が高く、情報のマッチングや集積した情報の名寄せなどの処理にたけていることから、その利用範囲は法令や条例で定められた行政事務に限定するとともに、制度面・システム面で各種のセキュリティー対策を講じており、この仕組みは改正により変わるものではないとの説明がされた。

 また、マイナンバーカードと健康保険証の一体化に関し、健康保険証の廃止は、マイナンバーカードの取得を事実上強制するものではないかとの指摘があり、政府から、マイナンバーカードと健康保険証の一体化には、患者本人の健康、医療に関するデータに基づくより適切な医療を受けられるなど、様々なメリットがあり、そのようなメリットをより多くの国民、関係者に早く届けられるよう、一体化を進めるため、健康保険証の廃止を目指すが、マイナンバーカードが申請に基づき交付される点を変更するものではなく、マイナンバーカードの保有を事実上強制するものではないとの説明がされた。

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