【特別企画】業務改善事例|紙の給与支払報告書の読み取りにAI‐OCRを導入 〜PFUの「DynaEye 給与支払報告書OCR」で入力業務を劇的に改善〜/北海道留萌(るもい)市

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2025.10.01

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【特別企画】業務改善事例

紙の給与支払報告書の読み取りにAI-OCRを導入
〜PFUの「DynaEye 給与支払報告書OCR」で入力業務を劇的に改善〜

北海道留萌市


 北海道留萌市総務部税務課は、紙で提出される給与支払報告書約6000枚の記載内容を住民税課税支援システム「税務LAN」(※)へ取り込むにあたり、令和6年分から株式会社PFUの給与支払報告書の読み取りに特化したAI-OCRソフトウェア「DynaEye 給与支払報告書OCR」を導入してテキスト化している。迅速な業務遂行と職員の負担軽減がねらいで、給与支払報告書処理業務の大幅な効率化を実現した。

※「税務LAN」は、日本国内における株式会社リードコナンの登録商標。

紙の給与支払報告書の入力に追われる

 各自治体には毎年1月に事業主から個人住民税算出のための給与支払報告書が提出されるが、人口約1万8000人の留萌市に令和7年1月に提出された令和6年分の給与支払報告書は1万1850枚で、6227枚が電子申請、5623枚が紙の報告書であった。

 「電子申請は年々増加しているものの、紙の給与支払報告書は毎年5000〜6000枚届いています。しかも提出期限が1月末日なので、1月中旬以降、特に1月31日前後に集中して届き、税務課職員はその処理に追われていました」と税務課市民税係係長の黒田亮さん。提出された紙の給与支払報告書は、職員が確認した上で市が導入している「税務LAN」に記載内容を手で入力し、誤りがないかをチェックしていた。

 「紙の給与支払報告書の入力作業は市民税係の正職員5人で手分けして行っていましたが、終わりの見えにくい業務で、2か月以上続きました。手間と時間がかかる上、業務が集中するため、遅くまで残業せざるを得ない状況が発生していました」と振り返る。

佐伯忠昭さん、山口雄大さん、黒田亮さんの写真
左から北海道留萌市税務課課長・佐伯忠昭さん、市民税係主事・山口雄大さん、市民税係係長・黒田亮さん。

定額減税による業務煩雑化を見据えて導入を急ぐ

 そこで、紙の給与支払報告書の入力を省力化し、残業による職員の負担軽減を図るために導入したのが、「DynaEye 給与支払報告書OCR」である。紙ベースの資料を読み取れるデジタル技術がないかと考えていたところ、令和6年8月にPFUのAI-OCRのソフトウェアを知り、導入を検討したという。

 「令和6年度は税制改正に伴う所得税額の特別控除、いわゆる定額減税が適用され、その内容が給与支払報告書に記載されることから、例年以上に入力に手間と時間がかかると予測されました。急いで検討を進め、導入に踏み切りました」と黒田さん。他社のAI-OCRもテストの上、手書き文字の読み取り精度が最も高かったPFUのソフトウェアを採用したと話す。

体感的な認識精度は90%を超える

 AI-OCRでの読み取りでは、定額減税という特殊な要素が存在していたことから、入力の自動化を急ぐのではなく、業務の着実かつ正確な完遂を目的に進めた。そのため、基本的に手書きではなく活字で記載された給与支払報告書を中心に読み取ることとし、5623枚の紙の報告書のうちの約50%を処理した。

 「認識精度はかなり高く、体感的には90%を超えていました」と黒田さん。市民税係主事の山口雄大さんも「ヒューマンエラーを抑制できたので、チェックにかける時間は従来に比べてかなり短縮されたはずです。AI-OCR導入の効果だと思います」と評価する。

 なお、市はAI-OCRに加え、株式会社ムサシが開発した変換プログラムも導入して「税務LAN」へのデータ取り込みの円滑化を図っている。

 紙の給与支払報告書の処理では、枚数が1000〜2000枚の自治体では職員による手入力のところが多く、一方、1万枚以上の自治体では入力業務をアウトソーシングするケースが目立つ。その中間に位置する留萌市などのような自治体では、アウトソーシングしている自治体はあるものの、外部委託の下準備にも大きな手間がかかるため、職員が手入力を続けている自治体も少なくない。そのような自治体にとって「DynaEye 給与支払報告書OCR」は、業務効率化に大きな力を発揮することは間違いないだろう。

「DynaEye 給与支払報告書OCR」の流れ
「DynaEye 給与支払報告書OCR」の流れ
紙で提出された給与支払報告書のイメージデータからテキストを抽出してCSVファイルで出力する、給与支払報告書に特化したAI-OCRソフトウェア。総括表と個人別明細書(異なるレイアウトでも可)を自動で識別するため、仕分け不要で一気に処理できる。手書き文字にも対応しており、活字と手書きが混在していても読み取りが可能。

【企画提供】
株式会社PFU
横浜本社(045)305-6000
〒220-8567 横浜市西区みなとみらい4-4-5(横浜アイマークプレイス)
URL:https://www.pfu.ricoh.com

▼お問合せはこちらから
https://www.pfu.ricoh.com/dynaeye/product/de-product/fm-contact-1-c.html

▼スキャナー・AI-OCR を活用した業務改善事例はこちらから
https://www.pfu.ricoh.com/fi/digitarakuru/casestudy-top.html

 

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