クローズアップ マイナンバー制度plus 第8回 引越し手続きオンライン化の取り組み
地方自治
2023.04.19
この資料は、地方公共団体情報システム機構発行「月刊J-LIS」2023年3月号に掲載された記事を使用しております。
なお、使用に当たっては、地方公共団体情報システム機構の承諾のもと使用しております。
クローズアップ マイナンバー制度 plus
第8回 引越し手続きオンライン化の取り組み
デジタル庁 総務省
1 はじめに
2023年2月6日から、「引越し手続オンラインサービス」が始まり、引越しをする際の転出届の提出が、マイナポータルを通じてオンラインでできるようになりました。あわせて、転入届を提出するための来庁予定の連絡(転入予約)もできるようになっています。今回は、引越しに関する手続きのオンライン化の取り組みをご紹介します。
2 引越し手続きオンライン化の概要
引越しを行う場合は、様々な行政機関や民間事業者に対して、氏名や新住所等の情報を個別に届け出る必要があり、住民の方のみならず、行政機関や民間事業者にも手続き負担が生じています。また、必要な手続きは人によって異なり、かつ、手続きを行うべき相手方が多岐にわたることから、必要な手続きを網羅的に把握できず、手続き漏れが発生しやすい状況となっています。
引越し手続きオンライン化とは、転出届などの市区町村への行政手続きだけでなく、ライフライン(電気・ガス・水道)等の民間手続きも含め、引越しに伴う手続きをオンラインにて一括で行うことを可能とする仕組みであり、住民の方の手続き負担の軽減をはじめ、様々な課題に対応すべく推進している取り組みです(図-1)。
3 「引越し手続オンラインサービス」について
(1)概要
これまで、住民の方が引越しされる場合には、基本的に、転出元の市区町村に赴き、転出届を提出し、転出証明書を受け取った上で、転入先の市区町村に、転出証明書とあわせて転入届を提出する必要がありました。住民の方は複数回窓口に行かなければならず、また、市区町村にとっても、引越しシーズンになると窓口が混雑し、その受付業務が負担となっています。
2023年2月6日から開始した「引越し手続オンラインサービス」は、これらの住民・市区町村の負担を軽減すべく開始したサービスです。
マイナンバーカードがあれば、住民の方は転出届をマイナポータルからオンラインで提出することができます。また、転出元の市区町村は、転入先の市区町村に転出証明書の情報を事前に通知することとなり、転入先市区町村は、その情報とマイナポータルを通じて送信された来庁予定の連絡(転入予約)を用いて、転入届の受理等のための必要な準備を行うことも可能となります(図-2)。
(2)マイナポータルから転出届を提出する手続きの流れ
マイナポータルから転出届を提出する手続きは、マイナポータルへログインして行います。マイナポータルへのログインには、「利用者証明用電子証明書」のパスワード(数字4桁)が必要です。
ログイン後、「手続の検索・電子申請」の項目から「引越しの手続」を選択することで、手続きを開始できます。「誰が・いつ・どこへ引っ越すか」など、引越しに関する情報や、引越し関連手続きに関する情報を入力すると、必要となる関連手続きや、転入先市区町村の窓口への持ちものなど、各種案内が表示されます。また、マイナポータルから届出をされる方の情報のうち、氏名、住所等については、マイナンバーカードから情報を読み取るため、「券面事項入力補助用」のパスワード(数字4桁)が必要です。
最後に、マイナンバーカードで電子署名を行い、転出届、来庁予定の連絡(転入予約)を提出します。電子署名の際には「署名用電子証明書」のパスワード(英数字6〜16文字)が必要です(図-3)。
4 民間事業者が運営する引越しポータルサイトとの連携
引越しの際には、電気・ガス・水道等の手続きも行う必要があります。民間事業者によっては、これらの手続きをまとめて行うことのできる、引越しポータルサイトの運営を行っています。
これらの民間の引越しポータルサイト経由でも、転出届の提出や転入予定市区町村への来庁予定の連絡(転入予約)の手続きができることを目指し、デジタル庁では、引越しポータルサイト事業者向けに、マイナポータルAPIの仕様書やマイナポータル申請画面UI等の情報提供をしています※)。
※)マイナポータルAPI仕様公開サイト
https://myna.go.jp/html/api/eshinsei/index.html
引越しポータルサイトとマイナポータルの連携が進めば、引越しの手続きがより簡単に済むようになります。
5 おわりに
デジタル庁及び総務省では、今後も関係省庁や市区町村と連携し、引越し手続きのオンライン化に向けた取り組みを進めてまいります。市区町村の皆様におかれましては、引き続き、これらの取り組みや、住民の方のマイナンバーカード取得促進につきまして、ご理解・ご協力の程よろしくお願い申し上げます。