「つながる」力 ~自治体職員によるリレー連載~

月刊「ガバナンス」

連載 vol.121「つながる」力 市町村職員から学んだ仕事の意味【髙橋史弥(北海道職員)】

NEW地方自治

2025.03.18

目次

    本記事は、月刊『ガバナンス』2024年4月号に掲載されたものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、現在の状況とは異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。
    所属等は執筆(掲載)時点のものです。
    ※本コラムは主に自治体職員によるネットワークのメンバーがリレー形式で執筆します。

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    vol.121「つながる」力_イメージ画像

     「振興局にいるときは、市町村の人を助けられるように頑張ってみるといいよ」

     入庁する際に、インターンをきっかけに今もお世話になっている職場の方からいただいた言葉だ。とはいえ、新卒の建築技術職の自分より市町村の方のほうが経験豊富なのは明らかで、何をどう助けられるのだろうと、不安が大きかったことを覚えている。

     最初の赴任は縁もゆかりもない十勝総合振興局。管内には19の市町村があり、庁舎のある帯広市から片道2時間かかる町もあった。私が採用されたのは2021年度、コロナ禍真っ只中だったため、市町村の方と会うことすら容易でなかった。そのため、相手の顔も知らないままに、電話やメールでやり取りをする日々が続いていた。

     そんな中、上司に連れられ、建築物の完了検査等で外勤に出るときに、お会いできた市町村の方とは積極的にコミュニケーションをとることを心掛けた。それもあり、徐々に業務の困りごとを相談していただける関係性を作っていくことができたが、むしろ経験不足の自分を助けてもらうことのほうが多かったように思う。

     部署にもよるが、広域自治体は直接住民とやり取りする機会はそう多くないと感じている。そのため、どこを見て仕事をするかと考えたとき、市町村とのやりとりを通し、自分たちの役割や使命に気づかなくてはならないと思っている。行政サービスの提供先である住民との「つながり」の希薄さを市町村の方との「つながり」によって埋めていく必要があるのではないだろうか。

     「この仕事はなんのためになるのだろうか」

     そう思ったときに浮かぶのはお世話になった市町村の方の顔だ。市町村の方との「つながり」が自分を支え、踏ん張る力を与えてくれるのである。異動により、十勝を離れた今も、連絡を取らせていただいている。お願いをすることも、時にご相談いただくこともあるが、初任地で市町村のために何かをしたいと、前向きに思える環境に身を置くことができたことに、とても感謝している。

    (北海道職員/髙橋史弥)

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