連載 vol.89「つながる」力 私を変えてくれた「つながり」 【岡田勇太(茨城・小美玉市職員)】
地方自治
2023.12.05
目次
本記事は、月刊『ガバナンス』2021年8月号に掲載されたものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、現在の状況とは異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。
所属等は執筆(掲載)時点のものです。
※本コラムは主に自治体職員によるネットワークのメンバーがリレー形式で執筆します。
市外出身の私は、「つながり」が全くない状況から始まった。最初の配属先は、住民主体・行政支援の運営をしている劇場、四季文化館みの〜れ。連日連夜、住民と0から1を生み出す企画会議。ハードだったが、「つながり」がなかった私にとって、地域の皆さんと共にアイデアを出し、汗をかく「共創」の日々はとても充実していた。
4年後、初めての異動。異なる分野の業務では、新たな知識と視点を得たが、「つながり」を広げる機会が減った。急激な社会変化を感じる中で「自分はこのままでいいのか」と不安を感じていたときに、山形市職員の後藤好邦さんの本に出会い、「つながりが広がり深まるほど、自分の可能性も広がる」ことや「自主研」を知った。
同時期に、小美玉市でも自主研究会「小美玉オフサイトミーティング」が発足することを知り、勇気を出して参加した。毎月1回、業務後に集まり、気軽に真面目に語り合う場。テーマ決めや進行は、メンバーが順番にオーナーを担当して運営。他自治体職員や地域の皆さんをゲストに迎えることもある。
「つながり」が広がることに喜びを感じ始めた頃、さらなる転機が訪れた。自主研設立時に尽力いただいた茨城県職員の助川達也さんから声が掛かり、県内全域を巻き込んだ「第1回茨城自主研サミット」の事務局を任され、他自治体職員と一緒に企画運営した。県内で自主研に取り組む、想いの強い人たちと気軽に相談できる「ヨコのつながり」と「ナナメの関係」を築けたことは、自分自身のさらなるモチベーション向上にもつながった。
これまでのことを振り返ると、私の根底にあるのは、みの?れ時代に体得した「対話の文化」であることに気づいた。今では、「対話」を通して得られる「つながり」や「共創」により得られる「充実感」と「達成感」が、私の大切な財産だと感じている。
気づかせてくれた「つながり」に感謝するとともに、今後も「つながり」を積極的に広げていき、「対話の文化」をまちづくりに活かしていきたい。
(茨城・小美玉市職員/岡田勇太)