連載 vol.83「つながる」力 私とふるさと納税 【友田美穂(熊本・八代市職員)】

地方自治

2023.09.27

目次

    本記事は、月刊『ガバナンス』2021年2月号に掲載されたものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、現在の状況とは異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。
    所属等は執筆(掲載)時点のものです。
    ※本コラムは主に自治体職員によるネットワークのメンバーがリレー形式で執筆します。

     私は今、役所生活の中で最も楽しく充実した時間を過ごしている。1992年に八代市役所に入庁し、これまで様々な部署を経験してきた。遡ること4年半、2016年3月末、友人からの一言「あなたには、ふるさと納税の仕事合ってると思うけどな」。

     この時はまだ、ふるさと納税という言葉しか知らず、どんな制度かも知らなかった。ふるさと納税について調べ始めると、自分でもこの担当をしてみたいと思うようになった。多くの本を読んだが、その中の一冊に当時、寄附金額日本一にした長崎県平戸市の黒瀬啓介君のことが書かれていた。彼と知り合いになりたい、ふるさと納税のことを教えてもらいたい、その思いだけで直接アプローチした。

     それがきっかけで、ふるさと納税の勉強会へ参加する機会を得て全国の担当職員と知り合うことができた。当時は福祉部署に所属しており、担当じゃないのに「ふるさと納税担当異動希望中」と書いた名刺を作り、勉強会に来る変な奴だったと思うが、全国の熱い職員は私に沢山のことを教えてくれた。

     そして、3年越しの夢が叶い、2019年4月に観光振興課へ異動となった。しかし、ふるさと納税の所管は財政課のまま。異動してすぐに上司に「ふるさと納税を観光振興課でやりたいです」と訴えた。理解ある上司のお陰で、何度も協議を重ね所管変更を行い、同年9月から念願の担当になることができた。

     諦めずにここまで来られたのは、上司や仲間、全国の担当職員が応援し続けてくれたからだ。きっかけはちょっとした点でも、その点と点を結ぶといろんなつながりができる。九州オフサイトミーティングもその一つ。自分の自治体だけでは同じ想いを持った人は少ないかもしれないが、より多くの公務員とつながれば、もっと多くのことを学び、仕事にも生かせると今改めて思う。まずはつながりを持つためにも自分から、その輪の中に飛び込んでみてはどうだろうか。

     私は、ふるさと納税を通して多くのつながりを持つことができた。そのご縁に感謝してこれからも前に進んでいこうと思う。

     

    (熊本・八代市職員/友田美穂)

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