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自治体最新情報にアクセス|DATABANK2021 月刊「ガバナンス」2021年10月号

地方自治

2021.10.31

自治体最新情報にアクセス DATABANK
(月刊「ガバナンス」2021年10月号)

●「農業によるメンタルヘルスケア推進事業」を実施

 和歌山県(95万4300人)は、「農業によるメンタルヘルスケア推進事業」を開始した。職場や日常生活上のストレスなどをきっかけにメンタルヘルスに課題を持つようになった人に対し、農作業を通じた回復支援を図り、社会参加を促進するのが目的。メンタルヘルスケアの経験を持つ県内の個人や法人が「コーディネート機関」として事業主体となり、県内の農家等と連携して事業を進め、コーディネート機関に対して県が補助金を交付する。コーディネート機関は、利用者の募集や利用者の健康状態の確認、利用者と連携農家のマッチング、農家等と連携した利用者の社会参加の促進、利用者と連携農家の活動の支援、問題が生じた場合の調整などを行う。

 利用対象者は、メンタルヘルスに課題があり、就労していない、または休職中の人で、居住地は県内外を問わない。利用期間は原則3か月以内だが、利用者が希望する場合は、利用者・コーディネート機関・連携農家の三者で協議の上、3か月ごとに延長することが可能。農業でメンタルヘルスケアを推進するとともに、移住者や新規就農者の確保にもつなげる。22年3月まで21年度の補助事業として進めていく。

(月刊「ガバナンス」2021年10月号・DATA BANK2021より抜粋)

●安全確保行動が分かる洪水ハザードマップを作成

 奈良県橿原(かしはら)市(12万1700人)は、新しい洪水ハザードマップを作成した。13年ぶりに改訂したもので、奈良県が作成した橿原市に影響を及ぼす可能性のある7つの河川の洪水浸水想定区域図を重ね合わせ、市が指定する避難先や取るべき安全確保行動、さらには5月20日以降運用している新しい避難情報についても記載している。

「チャートで分かる!安全確保行動」も作成し、想定される浸水の深さや豪雨時等の自らの状況に応じて、チャート式の設問に「はい」「いいえ」などで選択を繰り返していくと、危険度の確認や最適な安全確保行動が分かる仕組みになっているのが最大の特徴。安全確保に必要な情報は最小限に絞り、オリジナルキャラクターを登場させて重要なメッセージを伝えるなどの工夫を凝らし、親しみやすく、活用しやすい紙面になっている。また、全国初の試みとして、スマートフォンからGPS位置情報を用いて、その場の危険度と適切な安全確保行動がすぐに分かる仕組みを導入した。マップは市内の各家庭に配布し、災害の備えや災害時に活用してもらう。今後は、市を訪れた観光客などにも情報提供が行えるような取組みも進めたいとしている。

(月刊「ガバナンス」2021年10月号・DATA BANK2021より抜粋)

●地域エネルギー事業における包括連携協定を締結

 群馬県神流(かんな)町(1800人)は、トラストバンクと地域エネルギー事業における包括連携協定を締結した。エネルギーの地産地消をめざし、町内の脱炭素化およびレジリエンスの強化を図るのがねらい。

 トラストバンクは、全国9割以上の自治体と契約してふるさと納税事業を行っている企業で、自治体が同社と地域エネルギー事業に関する連携協定を締結するのは初めて。

 トラストバンクが地域特性に合わせた地域発電事業の知見を提供し、町の自然環境を活かした最適なエネルギーシステムの構築に取り組んでいく。

 第1弾として、町の宿泊施設に太陽光発電設備と蓄電池を設置した。今後は、太陽光発電と蓄電システムの設置による再生可能エネルギーの導入やバイオマス発電事業、ゼロカーボンシティの実現に向けた検討などを進める。

田村利男町長(左)とトラストバンクの川村憲一社長。

(月刊「ガバナンス」2021年10月号・DATA BANK2021より抜粋)

●コロナ対策で観光事業者版の認証制度を開始

 三重県(181万3900人)は、観光事業者を対象にした「みえ安心おもてなし施設認証制度(あんしん みえリア)」を開始した。新型コロナウイルスの感染リスクが続く中、県民等が安心して県内の観光地を旅行できる環境を整備し、県内観光産業の再生につなげるのがねらいで、5月から開始した飲食店等対象の認証制度に続いて実施したもの。感染防止対策に取り組む県内観光事業者からの申請を受け、県(委託事業者)が基準に基づき現地確認を行った上で認証し、認証マーク(ステッカー)を交付するとともに、県の専用HPで認証施設を公開する。また、利用者からの通報を受け付けることで、認証制度の信頼性を確保する。

 認証制度の対象となるのは、①宿泊施設、②レジャーランド・遊園地・水族館などの観光施設、③観光客対象の土産物店、④自然・産業・文化体験などの体験事業者で、店舗型性風俗特殊営業を行う施設や地域住民の利用が大半を占める店舗・施設などは対象外。認証基準は、各業界団体のガイドラインや20年度に県観光局で作成した「感染症対策テキスト」を中心に、事業者の現状や実態も踏まえ、利用者の体温確認や入口での消毒設備の設置、施設の換気、支払時の感染防止対策、従業員のマスク着用や体調管理などの必要な項目を設定。全事業者対象の必須項目、各施設の状況に応じた選択項目、自主的に取り組む推奨項目の三つに分かれており、3項目合わせて、宿泊施設は77項目、観光施設は90項目、土産物店は53項目、体験事業は59項目となっている。認証制度はコロナ収束まで実施する。

(月刊「ガバナンス」2021年10月号・DATA BANK2021より抜粋)

●鵜飼の保存活用計画が文化庁長官から認定

 岐阜市(40万8800人)と岐阜県関市(8万8300人)は、岐阜長良川鵜飼保存会と小瀬鵜飼保存会と共同で、国の重要無形民俗文化財で日本遺産「『信長公のおもてなし』が息づく戦国城下町・岐阜」の構成文化財にも指定されている「長良川の鵜飼漁の技術」を未来へと継承し、地域のさらなる発展・活性化に繋げていくことを目的に、「重要無形民俗文化財保存活用計画」を20年度に作成した。計画は、重要無形民俗文化財としては日本で初めて文化庁長官の認定を受けた。

 保存活用計画とは、文化財を確実に継承していくための基本方針や具体的な措置を示した法定計画。計画では、「保存」「活用」「調査研究」のテーマごとに、将来にわたり実施すべき具体的な措置を計51件記載した。計画の推進体制として、岐阜市長良の鵜匠で構成される岐阜長良川鵜飼保存会と関市小瀬の鵜匠で構成される小瀬鵜飼保存会の両保存会および両市で構成する「長良川の鵜飼漁の技術」保存活用協議会を設立。地域を超えた鵜飼の協議会が設立されたこと自体が初めてになるという。今後は、同協議会を中心に、文化財の保存活用の措置を推進していくとしている。

(月刊「ガバナンス」2021年10月号・DATA BANK2021より抜粋)

●四役・部局長等にモバイルPCを配布しテレワークやデジタル化を加速

 鹿児島県薩摩川内(さつませんだい)市(9万4500人)は、21年7月から、四役(市長・副市長・教育長)や部局長等に対し、テレワークが可能な「DXパソコン」(テレワーク対応モバイルPC)を配付し、専用回線を利用したテレビ会議や市役所外(自宅・出張先)から電子決裁等が行える環境を整えた。

 配付したDXパソコンは、国の進める「自治体DX推進計画」の重点取組事項の一つである「テレワークの推進」の実装と位置付けている。市は2007年度に、内部情報システム(電子決裁)を県内で初めて導入。今年度からは市長の決裁のほとんどを電子決裁で行っており、6月の四役電子決裁率は90%。今回配布したDXパソコンを活用することで、市役所外から電子決済を行うことが可能となった。

 今回のDXパソコン配布を通じて、市長をはじめ四役自らが自治体DXの推進を図り、デジタルを発想の起点に組織風土を変え、職員の意識改革に繋げることを目指している。これに加えて、市では防災、コロナ対策等危機管理(防災・新型コロナウイルス感染症対策)対応にデジタル技術を活用することで、更なる住民サービスの向上を図っていく。

(月刊「ガバナンス」2021年10月号・DATA BANK2021より抜粋)

●農産物のオンデマンド配送の実証実験を実施

 大阪府(884万9600人)は、農産物の物流効率化によるフードマイレージの削減を目的に、住友商事と共同で、AIによる効率的なオンデマンド配送をめざす農業関連物流マッチングサービス「CLOW(クロウ)」を活用した集荷配送の実証実験を実施した。農業分野における二酸化炭素排出量の削減に向けた取組みの一つ。

 CLOWは、同社が開発・運用しており、クラウド上で農業者情報を集約して、物流業者とマッチングし、農業者から集荷した農産物を集荷場・スーパー・飲食店等へ配達する。実証実験の集荷エリアは県内の13市町、配送先エリアは、集荷エリアの13市町を含む19市町。集荷配送の流れは、農業者が配送前日18時までにCLOWへ集荷配送を依頼し、CLOWが他の貨物と組み合わせたルートを作成して、20時頃物流業者とのマッチング結果を農業者に通知。物流業者が翌日、指定時間に集荷し、その日のうちに飲食店等の指定配送先に配送する。

 実証実験における検証内容は、①農業者と物流業者のマッチング率の確認②農業者の使いやすさ、満足度の確認③配送に際して発生する不具合の確認の三つ。実験に先立ち参加する農業者を募集した。

(月刊「ガバナンス」2021年10月号・DATA BANK2021より抜粋)

 

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