中小企業の人手不足が慢性化する中、パートやアルバイトの就業調整による影響は大きい。
令和7年度には就業調整につながる“年収の壁”を引き上げるため、所得税の課税最低限はもちろん、社会保険の加入をめぐる年収要件の問題を解消するべく、税と社会保険の両方から制度改正が実施される見込み。
本冊子は税制編と社会保険編に分けて、3月末に成立した令和7年度税制改正の内容や源泉徴収事務への影響を詳報するとともに、社会保険については106万円と130万円の壁の解説と社会保険適用拡大の動きを速報する。
大学生や主婦(夫)、年金所得者といったケース別に就業調整の現状を把握し、改正後の働き方やそれを受けた実務がどう変わっていくのかについても、税理士と社会保険労務士が解説する。
目次
○はじめに~「就業調整の壁」とは?~
Ⅰ 令和7年度税制改正について
Ⅰ-1 「基礎控除」の改正について
Ⅰ-2 「給与所得控除」の見直し(所得税・住民税)
Ⅰ-3 源泉徴収税額表の見直し
Ⅰ-4 「特定親族特別控除」(所得税・住民税)
Ⅰ-5 所得控除(人的控除)の所得要件の変更
Ⅱ 所得税・個人住民税の人的控除と源泉徴収事務への影響
Ⅱ-1 そもそも「所得控除」や「人的控除」とは?
Ⅱ-2 所得税と住民税の「人的控除」の仕組み
Ⅱ-3 月次の源泉徴収事務や、年に1度の年末調整・給与支払報告書とは?
<社会保険編>
Ⅲ 社会保険の壁
Ⅲ-1 そもそも社会保険とは?
Ⅲ-2 公的年金制度について
Ⅲ-3 公的医療保険(健康保険)制度について
Ⅳ 106万円の壁
Ⅳ-1 社会保険の適用拡大
Ⅳ-2 社会保険加入で何が変わるのか?
Ⅴ 130万円の壁
<税制・社会保険の複合編>
Ⅵ ケーススタディ~令和7年度税制改正で変わる就業調整の壁~
Ⅵ-1 配偶者の就業調整〜夫が専業でサラリーマンをやっており、妻が家計を助けるためにパートタイマーを行っているケース〜
Ⅵ-2 扶養親族の就業調整〜サラリーマンの親の扶養の範囲内でアルバイトをしている大学生の子のケース〜
Ⅵ-3 年金所得者の就業調整
Ⅵ-4 本章のまとめ
○おわりに