連載 vol.2「つながる」力 個々人のつながりから、地域間の連携へ 【福田倫丈(香川・坂出市職員)】

地方自治

2021.05.17

本記事は、月刊『ガバナンス』2014年5月号に掲載されたものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、現在の状況とは異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。
所属等は執筆(掲載)時点のものです。
※本コラムは主に自治体職員によるネットワークのメンバーがリレー形式で執筆します。

個々人のつながりから、地域間の連携へ

 今から10年前、私は、当時、衰退傾向が顕著になり始めた地域の現状を、少しでも改善したいという強い気持ちに駆られ、香川大学大学院地域マネジメント研究科に入学した。2年間の修士課程では、産業や人材育成など、分野に関係なくアンテナを大きく伸ばしながら、四国や香川の持続的発展のために、自分なりにオン・オフ両面で活動を拡げていった。

 同時に、自分の周りには内外に異業種のネットワークも形成され始め、主に2006年頃から10年にかけて、東北まちづくりオフサイトミーティング(以下「東北OM」という)や横浜のまちづくり塾など、全国各地で地域の課題を解決するため活動している自主勉強グループの仲間たちとの交流も盛んになった。

 それ以降、徐々に四国と他の地域の仲間たちとの往来も活発になり、12年には東北OMの仲間たちを四国に招いて「東北OM出張勉強会 in うどん県」を開催し、西日本と東日本間で小さな相互交流が実現した。これをきっかけに、四国でもOM設立に向けた動きが出始めたところである。

 東日本大震災を機に、「絆」という言葉がキーワードになっている。この言葉の意味を、私自身は縦でも横でもなく利害関係の無い「斜めの関係」として捉えており、地域間のつながりも、このような関係であるべきだと考えている。

 最近では、個々人のつながりをきっかけに、それまで関心のなかった地域同士が結びつくケースも増えている。これらの地域間連携では、交流の進展に伴い信頼関係が深まり、その中で同質性や異質性を肌で感じ始め、やがて、新しい価値を協働で生み出そうとする行動へと発展していくケースが増え始めている。このように国に依存せず、自治体や地域間で支え合う「お互い様の関係」、受援がこれからの地域間連携の肝となるだろう。

 しかしながら、昨今、個々人のつながりにあまり興味を持たない自治体職員が多いと言われている。是非、読者の皆様には他の地域の人々と積極的に交流し、胸襟を開いた情報交換の大切さや知ることの喜びや楽しさを体感して欲しい。

(香川・坂出市職員/福田倫丈)

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