最新法律ウオッチング

月刊「地方財務」

最新法律ウオッチング―国家公務員法等の一部を改正する 法律/地方公務員法の一部を改正する法律(2023年4月1日施行)

時事ニュース

2022.01.05

※2021年10月時点の内容です
最新法律ウオッチング 第114回 公務員定年引上げ
(『月刊 地方財務』2021年11月号)

 2021年の通常国会において公務員の定年の引上げに関する国家公務員法等の一部改正法と地方公務員法の一部改正法が成立した。

 少子高齢化が進み、生産年齢人口が減少する我が国において、人生100年時代を迎える中、公務員については、能力と意欲のある高齢期の職員を最大限活用しつつ、次の世代にその知識、技術、経験等を継承していくことが、複雑高度化する行政課題への的確な対応等の観点から、必要とされている。

 このため、政府は、公務員の定年の引上げ等のため、改正法案を2020年の通常国会に提出した。ところが、東京高等検察庁検事長の定年延長と退職をめぐる問題により、国家公務員法等の改正法案については、検察官にも定年延長制度が適用されることを明確にする規定が含まれていたことへの批判が生じ、廃案となった。2021年の通常国会で、検察官には定年延長制度が適用されない内容に変更された改正法案が提出され、成立した。

国家公務員法、地方公務員法等の改正

●定年の段階的引上げ

 国家公務員について、現行60歳の定年を2023年度から2年度ごとに1歳ずつ引き上げ、2031年度から65歳とすることとした。あわせて、現行の60歳定年退職者の再任用制度は廃止することとしたが、定年の段階的な引上げ期間中は、定年から65歳までの間の経過措置として現行と同様の再任用制度を存置することとした。

 地方公務員の定年については、国家公務員の定年を基準として条例で定められるため、条例で定年の段階的な引上げが定められることとなる。

●役職定年制の導入

 組織の新陳代謝を確保し、組織活力を維持するため、役職定年制(管理監督職勤務上限年齢制)を導入し、国家公務員については、管理監督職(指定職、俸給の特別調整額適用官職等)の職員は、60歳(事務次官等は62歳)に達した日の翌日から同日以後の最初の4月1日までの間に、管理監督職以外の官職に降任等をするとともに、この降任等を行うことにより、公務の運営に著しい支障が生ずる場合に限り、引き続き、管理監督職を占める職員として勤務させることができる特例を設けることとした。

 地方公務員については、管理監督職の範囲と管理監督職勤務上限年齢は、国家公務員との権衡を考慮した上で、条例で定めることとした。

●定年前再任用短時間勤務制度の導入

 国家公務員については、60歳に達した日以後に退職した者を短時間勤務の官職に採用することができるようにし、地方公務員については、条例で定める年齢に達した日以降に退職した者を短時間勤務の職に採用することができるよう、定年前再任用短時間勤務の制度を設けた。

●情報提供・意思確認

 任命権者は、当分の間、職員が60歳に達する日の前年度に、60歳以後の任用、給与、退職手当に関する情報を提供するものとし、職員の60歳以後の勤務の意思を確認するよう努めるものとした。なお、地方公務員については、年齢は、60歳を基準として条例で定めることとした。

●給与に関する措置

 国家公務員については、当分の間、俸給月額を、60歳に達した日以後における最初の4月1日以降、その者に適用される俸給表の級号俸に応じた額に7割を乗じて得た額とし、退職手当は、定年前の退職を選択した職員が不利にならないよう、60歳に達した日以後にその者の非違によることなく退職したときは、退職事由を定年退職として算定することとした。

 地方公務員の給与については、国家公務員との権衡の原則に基づき、条例で定められることとなる。

●施行期日

 これらの法律は、一部を除き、2023年4月1日から施行される。

国会論議

 国会では、65歳以上の公務員の活用をどのように進めるかとの質問があり、政府から、民間では、多様な選択肢を明示した上で70歳までの就業確保措置を努力義務とする高年齢者雇用安定法の改正が行われ、本年4月から施行されたが、前年の高年齢者の雇用状況では、希望者全員が66歳以上まで働くことができる企業の割合は約13%であり、このような民間の状況や公務における人事管理の状況等を踏まえながら、検討するとの説明がされた。

 また、60歳以降の職員の給与水準をそれまでの7割とすることは、職員の士気などの観点から望ましくないのではないかとの質問があり、政府から、今後、民間における定年制や高齢層従業員の給与の状況等を踏まえた60歳を超える職員の給与水準の見直しに加え、60歳前後の給与が連続的なものとなるような給与カーブの在り方等について検討するとの説明がされた。

この記事をシェアする

特別企画:令和4年度の地方財政への展望

お役立ち

月刊 地方財務2021年11月号

2021年11月 発売

本書のご購入はコチラ

すぐに役立つコンテンツ満載!

地方自治、行政、教育など、
分野ごとに厳選情報を配信。

無料のメルマガ会員募集中

関連記事

すぐに役立つコンテンツ満載!

地方自治、行政、教育など、
分野ごとに厳選情報を配信。

無料のメルマガ会員募集中

月刊「地方財務」

月刊「地方財務」

株式会社ぎょうせい

閉じる