最新法律ウオッチング

月刊「地方財務」

最新法律ウオッチング―出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律(2019年4月1日施行)

NEW自治体法務

2019.09.11

最新法律ウオッチング 第98回 入管法等改正
(『月刊 地方財務』2019年3月号)

出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律(概要)

 昨年の臨時国会において、「出入国管理及び難民認定法」(入管法)と法務省設置法の一部改正法が成立した。
 中小・小規模事業者をはじめとした人手不足は深刻化しており、我が国の経済、社会基盤の持続可能性を阻害する可能性が出てきているとされる。このため、生産性向上や国内人材の確保のための取組を行ってもなお人材を確保することが困難な状況にある産業上の分野において、一定の専門性、技能を有し即戦力となる外国人を受け入れる仕組みの構築が求められていた。
 また、我が国を訪れる外国人は増加を続け、2017年の外国人入国者数は約2743万人と過去最高を更新しており、我が国に在留する外国人数も、18年6月末現在では過去最多の約264万人となっている。このような中、厳格な入国管理と円滑な入国審査を高度な次元で両立し、特に、増加する外国人に対する在留管理を的確に行っていくことが求められていた。
 こうしたことから、政府は、所要の法整備を図るため、法案を国会に提出し、成立した。

入管法等の改正(詳細)

○特定技能の在留資格の創設

 人材を確保することが困難な状況にある産業上の分野に属する一定の専門性、技能を有する外国人の受け入れを図るため、特定技能の在留資格を創設し、この在留資格をもって在留する外国人が本邦で行うことができる活動を次のように定めた。
 まず、特定技能1号は、法務大臣が指定する本邦の公私の機関との雇用契約に基づいて行う特定産業分野(人材確保が困難なため外国人により不足する人材の確保を図るべき産業上の分野として法務省令で定めるもの)で法務大臣が指定するものに属する相当程度の知識か経験を必要とする技能を要する業務に従事する活動とした。
 また、特定技能2号は、法務大臣が指定する本邦の公私の機関との雇用契約に基づいて行う特定産業分野で法務大臣が指定するものに属する熟練した技能を要する業務に従事する活動とした。特定技能2号については、家族の滞在も認められる。

○制度運用に関する基本方針等

 政府は、特定技能の在留資格に係る制度の適正な運用を図るため、特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する基本方針を定めなければならないこととした。
 また、法務大臣は、基本方針にのっとり、人材を確保することが困難な状況にあるため外国人により不足する人材の確保を図るべき産業上の分野を所管する関係行政機関の長等と共同して、この産業上の分野における特定技能の在留資格に係る制度の適正な運用を図るため、この産業上の分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針(分野別運用方針)を定めなければならないこととした。

○雇用契約等

 まず、特定技能に係る活動を行おうとする外国人が本邦の公私の機関と締結する雇用契約は、活動内容や報酬等が適切に定められているものとして法務省令で定める基準に適合するものでなければならないこととした。
 また、雇用契約の相手方となる本邦の公私の機関は、雇用契約の適正な履行等が確保されるものとして法務省令で定める基準に適合するものでなければならないこととした。
 さらに、特定技能1号に係る活動を行おうとする外国人と雇用契約を締結しようとする本邦の公私の機関は、外国人がこの活動を安定的かつ円滑に行うことができるようにするための職業生活上、日常生活上、社会生活上の支援の実施に関する計画を作成しなければならないこととした。

○出入国在留管理庁の新設

 法務省設置法を改正し、新たな在留資格の創設に伴う在留外国人の増加に的確に対応しつつ、外国人の受け入れ環境整備に関する企画・立案や総合調整といった新規業務に一体的かつ効率的に取り組む組織として、法務省の外局に出入国在留管理庁を新設することとした。

○施行期日

 この法律は、一部の規定を除き、2019年4月1日から施行される。

国会論議

 国会では、法務省令で定める事項が多く、具体的な制度内容が不明確であり、短期間で施行させることは拙速ではないかとの指摘がされた。これに対し、政府からは、人手不足の状況は深刻な問題となっており、この問題への対応は喫緊の課題であることから、可能な限り早急に新たな受け入れ制度を実施する必要があるとの説明がされた。
 また、特定技能の制度は移民政策ではないかとの指摘がされた。これに対し、政府からは、国民の人口に比して一定程度の規模の外国人やその家族を期限を設けることなく受け入れることで国家を維持していこうとする政策とは明確に異なるとの説明がされた。

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