確定申告Q&A

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【確定申告Q&A】個人事業税で申告する所得金額の計算方法

地方自治

2025.10.17

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    出典書籍:月刊『税』2025年2月号 別冊付録「地方税務職員のための 令和6年分確定申告期税務相談窓口対応の手引き」

    確定申告に向けて知っておきたい「こんな場合は?」をQ&Aでご紹介。

    地方税務職員に長く参考書として使用されている「地方税務職員のための 令和6年分確定申告期税務相談窓口対応の手引き」(月刊「税」2025年2月号 別冊付録)より引用しています。

    この記事では、個人事業税で申告する所得金額とその計算方法について解説します。

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    月刊 税 2025年2月号

    月刊 税 2025年2月号 別冊付録:地方税務職員のための令和6年分
         確定申告期税務相談窓口対応の手引き
    編著者名:ぎょうせい/編
    販売価格:3,410 円(税込み)
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    申告する所得金額とその計算方法

    申告書に記載される所得金額、すなわち、個人の事業税の課税標準の基礎となる事業所得の金額等を計算する場合の収入金額、あるいは必要な経費とは、どのようなものをいうのですか。

    個人の事業税の申告書に記載される所得金額は、収入金額からその収入を得るための必要な経費を控除して求める。具体的には、所得税における事業所得の金額及び不動産所得の金額の計算の例によって算定することとされている。

     個人の事業税の課税標準の基礎となる事業所得の金額及び不動産所得の金額は、所得税法その他所得税に関する法令の規定による事業所得の金額又は不動産所得の金額の計算の例によって算定することとされている(地方税法又はこれに基づく政令で特別の定めがされている場合を除く)。(地法72の49の12①本文)。

    ここで「所得税法その他所得税に関する法令の規定による事業所得の金額又は不動産所得の金額の計算の例によって算定する」とは:

    所得税におけるこれらの所得の金額に関する全ての取扱いが個人の事業税に関して規定されているとして、必要に応じて、それらの取扱いを読み替え、個人の事業税の課税標準の基礎となる事業所得の金額又は不動産所得の金額を算定することをいう。

     したがって、所得税法に規定されている部分に限らず、所得税法施行令、所得税法施行規則、租税特別措置法、租税特別措置法施行令、租税特別措置法施行規則等、所得税の所得計算について適用される諸々の取扱いは、個人の事業税に関する取扱いとして読み替え、個人の事業税の課税標準の基礎となる事業所得の金額又は不動産所得の金額を算定することになる(地方税法又はこれに基づく政令で特別の定めがされている場合を除く)。


     なお、個人の事業税の課税標準は、このようにして算定した事業所得の金額又は不動産所得の金額から損失の繰越控除額、被災事業用資産の損失の繰越控除額又は事業用資産の譲渡損失の控除額若しくはその繰越控除額及び事業主控除額を控除して算定することとされている。

    この計算過程を図に示すと、下記のようになる。

    税額計算の方法

    一の都道府県内で事業を行っている場合

    ① 事業所得の金額の計算
    (事業の総収入金額)-(事業の必要経費)-(青色事業専従者給与額又は事業専従者控除額)
    =(事業所得の金額)

    ② 課税標準額の計算
    (事業所得の金額)-(損失の繰越控除額等)-(事業主控除額(年290万円))
    =(事業の所得金額)

    ③ 税額の計算
    (事業の所得金額)×(税率)=(税額)

    適用税率表

    区分 事業の種類 税率
    第一種事業 物品販売業、不動産貸付業、運送業、請負業、駐車場業、飲食店業、その他の営業等 5%
    第二種事業 畜産業、水産業、薪炭製造業(主として自家労力を用いて行うものを除く) 4%
    第三種事業 医業、歯科医業、弁護士業、税理士業、コンサルタント業、デザイン業、理・美容業、クリーニング業、その他自由業等 5%
    あん摩・はり・きゅう等の事業、装蹄師業 3%

     

    二以上の都道府県内で事業を行っている場合

    ① 課税標準総額の計算
    1の①・②と同じ計算によって、課税標準総額を求める。

    ② 関係都道府県の課税標準額の計算
    (課税標準総額)÷(従業者総数)×(その都道府県の従業者数)=(関係都道府県の課税標準額)

    ③ 税額の計算
    (関係都道府県の課税標準額)×(税率)=(税額)

     

    「確定申告期税務相談窓口対応の手引き」では、他にも以下のような解説を確認できます。

    個人事業税の確定申告 個人事業税の納付時期 個人事業税の申告が必要な人/不要な人 個人事業税の申告書の提出先と提出期限 所得税の確定申告をすれば個人事業税は申告しなくて良い? 赤字の場合の申告は必要? ・所得税における所得計算の例によらない事項 ・個人の事業税における所得控除の種類と控除の順序 ・所得税の確定申告書に付記する個人の事業税に関する事項 ・「所得税で控除対象配偶者などとした専従者」欄に記入する内容 ・「事業税」欄の「非課税所得など」欄に記入する内容 ・「事業税」欄の「損益通算の特例適用前の不動産所得」の欄に記入する内容 ・「不動産所得から差し引いた青色申告特別控除額」の欄に記入する内容 ・「事業用資産の譲渡損失など」の欄に記入する内容 ・「前年中の開(廃)業」の欄に記入する内容 ・「他都道府県の事業所等」の欄に記入する内容

    「確定申告期税務相談窓口対応の手引き」
    全目次はこちら!(PDF)

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