連載 vol.102「つながる」力 逢いたい人に会いにいく【黒濵綾子(徳島県鳴門市職員)】
地方自治
2024.06.21
目次
本記事は、月刊『ガバナンス』2022年9月号に掲載されたものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、現在の状況とは異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。
所属等は執筆(掲載)時点のものです。
※本コラムは主に自治体職員によるネットワークのメンバーがリレー形式で執筆します。
学生時代から放浪癖のある私は様々な場所を旅してきた。そこで出会う景色や美味しい食べ物、初めての経験が私を刺激し、いつも幸せな気分にさせてくれた。そんな私の旅も10年ぐらい前から、観光やグルメや体験が目的ではなく「逢いたい人に会いにいく」が目的となってきた。
最初のきっかけは「子育て」からだった。私には2人の子供がいるが、働きながらの育児、しかも地方では多様な経験や人に出会う機会が少ないことを課題に思っていた。もちろん自分の子供たちを連れての旅も楽しんでいたが、全国のおもしろい人や楽しい企画をこの街につなげて地域のみんなで体験できたらもっと楽しいかも!そんな思いから、私の旅の目的は自分の逢いたい人に会いに行き、地域とつなぐことに変わっていった。
それからコロナが蔓延し、私の旅も封印せざるをえなくなった。それでも、新たにオンラインが普及したことで、遠く離れた人とも一瞬にしてつながることができるようになり、つながりの輪がどんどん広がっていった。オンラインでの出会いは思いや熱量が伝わりにくいと言われるが、果たしてそうだろうか?
毎週Zoomでしかお会いしたことがなかったオンライン市役所防災対策課の熱きメンバー達は、コロナ禍で災害派遣に入る私に、様々な情報で私の活動を後押ししてくれ、そのエールはとても励みになった。また、コロナワクチン接種業務では、次々押し寄せる新たな展開に心が折れそうな時でも、夜な夜なZoomやSNSで情報交換し、みんなで知恵を出し合って、その局面を切り抜けてきた。オンラインでの出会いも思いや熱量は十分伝わった瞬間だった。
先日、そのメンバーとリアルでお会いしたが、初対面なのに同じ職場のメンバーのようであり、昔からの友達のような不思議な感覚だった。
これからも、私はリアルとオンラインという両方の手法を使いながら「逢いたい人に会いに行き」素敵な人の思いや活動をつなぎ、様々な化学反応を起こしていきたいと思う。
(徳島県鳴門市職員/黒濵綾子)