行政大事典
地方公務員とは|最新行政大事典【用語集】
地方自治
2025.05.02

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はじめに
『WEB LINK 最新行政大事典 全4巻セット』(ぎょうせい)は膨大な行政用語の中から、とくにマスコミ等で頻繁に使用されるものや、新たに登場したテーマ、法令などから選りすぐった約3,000の重要語句を収録。現場に精通した執筆陣がこれらの行政用語を簡潔にわかりやすく解説します。ここでは、「第1巻 第3章 総務・人事・給与」から、「地方公務員」を抜粋して、ご紹介したいと思います。
地方公務員
地方公務員とは、地方公共団体に勤務し、地方公共団体の組織の中で一定の地位を占め、地方公共団体に勤務を提供する反対給付として報酬、給料、諸手当などの給与を受けている者をいい、地方公務員法(昭和25年法律第261号)第2条は、「地方公共団体のすべての公務員」を地方公務員というとする。ここでいう地方公務員には、その職務内容が、公権力の行使に関するものであろうと肉体的労務であろうと変わりがなく含まれ、勤務の態様についても常勤の場合もあれば非常勤の場合もあり、臨時の場合もある。なお、地方公務員法は、地方独立行政法人法の施行された平成16(2004)年4月1日以降、特定地方独立行政法人の全ての公務員も地方公務員としている(地公3〔1〕) 。
地方公務員法は、地方公務員の職を一般職と特別職に区別し(地公3〔1〕)、一般職に属するすべての地方公務員に適用されるが、特別職に属する地方公務員には法律に特別の定めがある場合を除き、同法の適用はないとする(地公4)。地方公務員法には、一般職の職員に関する任用、職階制、給与、勤務時間その他の勤務条件、分限及び懲戒、服務、研修及び勤務成績の評定、福祉及び利益の保護、厚生福利制度、公務災害補償、勤務条件に関する措置の要求、不利益処分に関する不服申立て、職員団体等に関する規定が定められており、一般職の職員に適用される。
地方公務員の臨時・非常勤職員は、地方行政の担い手となっているが、その適正な任用・勤務条件を確保するために、地方公務員法の改正(平成29年法律第29号)が行われ、令和2(2020)年4月1日から施行されている(地公22の2)。一般職の会計年度任用職員制度が創設され、任用、服務規律等の整備を図るとともに、特別職非常勤職員及び臨時的任用職員の任用要件の厳格化を行い、会計年度任用職員制度への必要な移行を図るもので、併せて、会計年度任用職員制度について期末手当の支給を可能にするものである。臨時・非常勤職員制度の運用を抜本的に見直すことになっている。
一般職の職員の場合、その職務と責任の特殊性に基づき、地方公務員法の定めとは別に特別の法律が設けられていることがある。たとえば、教育公務員については、教育公務員特例法(昭和24年法律第1号)や地方教育行政の組織及び運営に関する法律(昭和31年法律第162号)等が、また、警察職員には、警察法(昭和29年法律第162号)が、そして消防職員には、消防組織法が設けられている。また、地方公営企業の企業職員については、地方公営企業法(昭和27年法律第292号)及び地方公営企業等の労働関係に関する法律(昭和27年法律第289号)に特例が定められている。
*『最新行政大事典』2022年9月より。泉本 和秀/著
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