確定申告Q&A
【確定申告Q&A】セルフメディケーション税制とは?対象医薬品や医療費控除との違い
NEW地方自治
2025.02.10
目次
この記事は5分くらいで読めます。
出典書籍:月刊『税』2025年2月号 別冊付録「地方税務職員のための 令和6年分確定申告期税務相談窓口対応の手引き」
2025年2月17日から開始する確定申告に向けて知っておきたい「こんな場合は?」をQ&Aでご紹介。
地方税務職員に長く参考書として使用されている「地方税務職員のための 令和6年分確定申告期税務相談窓口対応の手引き」(月刊「税」2025年2月号 別冊付録)より引用しています。
この記事では、「セルフメディケーション税制」とは何か?、対象となる場合などについて解説します。
「特定一般用医薬品等購入費を支払った場合の医療費控除の特例(セルフメディケーション税制)」とは,どのような制度ですか?
「セルフメディケーション税制」とは,健康の維持増進及び疾病の予防への取組として一定の取組を行う個人が,スイッチOTC医薬品(要指導医薬品及び一般用医薬品のうち,医療用から転用された医薬品)を購入した際に,その購入費用について所得控除を受けることができる制度である。
医療保険各法等の規定により療養の給付として支給される薬剤との代替性が特に高い一般用医薬品等の使用を推進する観点から,居住者が平成29年1月1日から令和8年12月31日までの間に自己又は自己と生計を一にする配偶者その他の親族に係る特定一般用医薬品等購入費を支払った場合において,その居住者がその年中に健康の保持増進及び疾病の予防への取組として一定の取組を行っているときにおけるその年分の医療費控除については,その者の選択により,その年中に支払った特定一般用医薬品等購入費の金額(保険金,損害賠償金その他これらに類するものにより補塡される部分の金額を除く)の合計額が1万2千円を超えるときは,その超える部分の金額(8万8千円を限度)を控除額とすることができる(措法41の17①,措令26の27の2,措規19の10の2)。
セルフメディケーション税制と医療費控除は併用できる?
このセルフメディケーション税制は医療費控除の特例であり,従来の医療費控除との選択適用となるため,いずれか一方を選択して適用を受けることになる。
つまり,セルフメディケーション税制の適用を受けることを選択した場合は,従来の医療費控除制度の適用を受けることができず,逆に,従来の医療費控除制度の適用を受けることを選択した納税者はセルフメディケーション税制の適用を受けることはできないため,例えば,セルフメディケーション税制の適用を受ける場合には,この特例の対象となる特定一般用医薬品等購入費以外の医療費の額が適用下限額(10万円と総所得金額の5%相当額のいずれか低い方の金額)を超える場合であっても,従来の医療費控除制度を併せて受けることはできないこととなる。
セルフメディケーション税制の対象となる医薬品
セルフメディケーション税制の対象となる特定一般用医薬品等購入費とは,次の医薬品である一般用医薬品等(新医薬品に該当するもの及び人の身体に直接使用されることのないものを除く)のうち,医療保険各法等の規定により療養の給付として支給される薬剤との代替性が特に高いものとして厚生労働大臣が財務大臣と協議して定めるものの購入の対価をいう。
⑴ その製造販売の承認の申請に際して既に承認を与えられている医薬品と有効成分,分量,用法,用量,効能,効果等が明らかに異なる医薬品
⑵ その製造販売の承認の申請に際して⑴の医薬品と有効成分,分量,用法,用量,効能,効果等が同一性を有すると認められる医薬品
▼「確定申告期税務相談窓口対応の手引き」では、他にも以下のような解説を確認できます。
・医療費控除
・租税特別措置法の特例(セルフメディケーション税制)
・雑損控除
「確定申告期税務相談窓口対応の手引き」
全目次はこちら!(PDF)