連載 vol.119「つながる」力 地元が好き!でつながる力【上野美知(和歌山市職員)】
NEW地方自治
2024.12.16
目次
本記事は、月刊『ガバナンス』2024年2月号に掲載されたものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、現在の状況とは異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。
所属等は執筆(掲載)時点のものです。
※本コラムは主に自治体職員によるネットワークのメンバーがリレー形式で執筆します。
1992年に和歌山市入庁、出先の衛生研究所で黙々と検査に従事していた私は、他部署との交流は最小限、採用同期との交流もない毎日。その後、約1か月の東京派遣研修を二度経験し、外部との交流が持てたが、連絡を取り合うことが少ない中、東日本大震災直後に始めたFacebookを契機に、全国の公務員仲間とのご縁が芋づる式につながり、日々の発信を目にすることで視野が大きく広がった。
一方で、地元和歌山の他自治体職員とのつながりをなかなか持てずにいた。南北に長く、交通の便も決して良くない我が県は、県内で集まることも、ましてや近隣の京阪神での勉強会に出向くのも、おっくうになりがちだ。2016年、あるイベントの運営に携わったことをきっかけに、県内自治体職員有志によるグループに参加した。和歌山=紀伊の国を愛する面々が集う、その名も「紀伊人(キーマン)」。カッコいい!
発足当初は、数か月毎に幹事自治体持ち回りで勉強会を開催し、終了後に地元の宴席で親睦を深めてきた。コロナ禍以降は、毎月第2金曜夜にオンライン定例会を設け、ゲストスピーカーを招いてホットな話題を学んだり、互いの近況報告をしたりと、肩ひじ張らずにつながりの場を持ち続けている。テーマは移住定住、ワーケーション、観光、子育て、防災、SDGs、DX…興味のあることを仕事に活かして和歌山を盛り上げたい!という思いが詰まっている。
まちづくりや地域おこし活動にプライベートで携わるメンバーからイベントへのお誘いなど、それぞれの地域の理解にもつながっている。また、広域行政を担う県と、県内市町とで県行政の紹介、事業の横展開、共同実施の可能性など、より現実的な展開につなげることが今後期待される。
FBグループの登録者数は増えたが顔を出す人数が少なく、いつものメンバー=いつメンになってしまうのが目下の悩み。リアル会が再開可能となった今、職場の仲間を誘って参加してもらえるよう工夫し、これからも地元の「好き」を増やしていきたい。
(和歌山市職員/上野美知)