連載 vol.13「つながる」力 志でつながった仲間とともに、公務員のあり方を変えることに挑戦したい 【島田正樹(さいたま市職員〈内閣府出向中〉)】
地方自治
2021.09.06
本記事は、月刊『ガバナンス』2015年4月号に掲載されたものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、現在の状況とは異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。
所属等は執筆(掲載)時点のものです。
※本コラムは主に自治体職員によるネットワークのメンバーがリレー形式で執筆します。
志でつながった仲間とともに、公務員のあり方を変えることに挑戦したい
就職活動の前にこのような機会があれば民間企業ではなく、公務員を志望したかも……」
学生から集めたアンケート。一枚繰るごとに、仕事や生き方に魅力を感じて公務員を志してもらうには、私たち公務員が自ら学生たちと語り合い、その魅力を直接感じてもらう必要があると思った。「自分が住む街の公務員には、魅力的でやる気に満ちていてほしい」──そんな素朴な思いから、行動に移したのが昨年12月。まず着手したのは公務員志望の学生へのアプローチだった。
地域でつながりのある大学の先生にお願いをして、仲間の公務員数名で、公務員志望の学生に対して「公務員の印象」や「志望動機」などを聴きながら、公務員が実際にどのように仕事や課外活動に取り組んでいるのかを聴いてもらう場を作った。聖学院大、日本大、城西大では、「安定」「9時5時」といった点にも魅力を感じているが、「地域や社会に貢献したい」という志望動機を持つ学生もいることを知った。また、私たち公務員のありのままの日常を伝えることで、70%以上の学生の「公務員像」を変えることができた。
これらの経験を踏まえ、「魅力的な公務員をもっと増やしたい」という志でつながる仲間と、3月に「公務員キャリアデザインスタジオ」を立ち上げた。「安定」「9時5時」ではなく、仕事そのものに魅力を感じて公務員を志望する学生を増やすことや、若手公務員のモチベーションの維持・向上などを通じて、地域で活躍する魅力的な公務員を増やすことをミッションとする団体である。
キャリアデザイン──すなわち公務員としてどのように生きるか自らデザインする機会を学生や若手公務員に提供するのが私たちの「志事(しごと)」。早速4月から大学での出張講義や若手公務員向けの勉強会等を開始し、参加者一人ひとりが自らのキャリアと向き合うための「場」を作っていく。社会にどんなインパクトをもたらせるかはまだ分からないが、志でつながった仲間とともに、公務員のあり方を変えることに挑戦したい。
(さいたま市職員〈内閣府出向中〉/島田正樹)