独自利用事務の情報連携に関する届出について|教えて!個人情報保護委員会

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2026.02.13

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この資料は、地方公共団体情報システム機構発行「月刊 J-LIS」2025年12月号に掲載された記事を使用しております。
なお、使用に当たっては、地方公共団体情報システム機構の承諾のもと使用しております。

教えて!個人情報保護委員会 連載71
独自利用事務の情報連携に関する届出について
山越 大夢
個人情報保護委員会事務局

はじめに

(1)独自利用事務とは

 個人番号の利用は原則として、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(平成25年法律第27号。以下「番号法」という。)に定められた事務に限定されていますが、番号法第9条第2項の規定により、社会保障・地方税・防災に関する事務その他の事務であって各地方公共団体が条例で定める事務についても、個人番号を利用することができます。この事務を独自利用事務といいます。

(2)独自利用事務における情報連携

 独自利用事務において情報提供ネットワークシステムを通じた利用特定個人情報の照会(以下「情報連携」という。)を行うには、番号法に定められた事務とは異なり、個人情報保護委員会(以下「当委員会」という。)の規則1)(以下「委員会規則」という。)に基づく届出を、当委員会へ提出する必要があります。2025年9月3日現在、1,489の地方公共団体から13,283件の届出が提出されており、幅広い事務で情報連携制度が活用されています。これらの届出の内容はインターネットで公表されており、誰でも確認することができます2)

1)行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律第十九条第九号に基づく利用特定個人情報の提供に関する規則(平成28年個人情報保護委員会規則第5号)
2)https://www.dokuji.ppc.go.jp/

 本稿では独自利用事務における情報連携のメリット及び手続の流れを改めてご紹介し、併せて届出時のポイントについてご説明します。番号制度を担当される職員の皆様だけでなく、窓口で直接住民の方と接する機会の多い職員の皆様にも広くお読みいただけますと幸いです。

情報連携のメリット

 番号法に定められた事務を執行する場面において、情報連携の利便性や事務の迅速化・効率化については既に実感されているかと思いますが、独自利用事務についても情報連携を導入することで同様のメリットが得られます。

 具体例を挙げて検討してみましょう。重度心身障害者等の医療費助成に関する事務においては、情報連携を行うことで省略が可能となる具体的な書類として、住民税の課税証明書、身体障害者手帳の写し、各種医療保険に係る資格確認書などが挙げられます。

 医療費助成を受けようとする申請者(住民)にとっては、家族のどの人の課税証明書が必要になるのかという確認や、取得に要する手数料、これらの書類を担当窓口に提出する手間(郵送又は持参に要する費用、時間等)が省けることで、申請に係る負担が大きく軽減されることが考えられます。

 また、地方公共団体の職員にとっては、これまでの紙媒体でのやり取りが不要となることで、取得に際する申請者への複雑な説明や書類不備の際の催促の連絡などが省略でき、短時間で効率的に必要な情報を確実に確認することができます。さらには、課税情報や身体障害に関する情報など、取扱いに特に配慮が必要な個人情報について、例えば起案時の添付や事務処理後の保管、文書廃棄時の確認等が不要となるなど、事務の執行上、安心・安全な情報管理に資することにもつながります。

手続の流れ

 独自利用事務に係る情報連携が開始されるまでの手続として、
①地方公共団体における事前準備
②地方公共団体からの届出
③当委員会における届出の確認
④当委員会から地方公共団体へ届出結果の通知
⑤当委員会における届出事項の公表
の5つの手続があります。ここでは、新たに情報連携を開始したい場合に提出する「新規届」について、②と③を主眼としてご説明します。

 なお、①については、各地方公共団体の状況に応じて必要となる手続が異なります3)。また、1年における届出の受付期間は、情報連携の開始時期に応じて原則として3回となっていますので、計画的なご準備をお願いいたします。

3)https://www.ppc.go.jp/files/pdf/dokuji_riyoukaishi_junbi.pdf

(1)届出の対象となる事務の選定、該当し得る「事例」の確認

 委員会規則においては、独自利用事務における情報連携の要件として、(ⅰ)独自利用事務の趣旨又は目的が、法定事務(特定個人番号利用事務(法第19条第8号に規定する特定個人番号利用事務をいう。)のうちいずれかの事務をいう。以下同じ。)の根拠となる法令等の趣旨又は目的とおおむね同一であること(委員会規則第2条第1項第1号)、(ⅱ)その事務の内容が当該法定事務の内容と類似していること(同項第2号)を定めています。

 ただ、独自利用事務の情報連携の対象となる事務を明確にする必要があることから、当委員会では上記要件を満たす典型的な事務として「事例」を決定し、公表しています4)。まずは、情報連携を開始したい独自利用事務が、事例の一覧に掲載されているかをご確認ください(を参照)。

4)https://www.ppc.go.jp/files/pdf/dokuji_jirei_list.pdf

図 独自利用事務、法定事務、事例の関係性(ひとり親等の医療費助成に関する事務の場合)
関係性の図

(2)情報連携を開始したい事務が「事例」に該当するかの検討

 次の段階として、実際に当該事例に該当するものかを検討します。具体的には、その事例が準ずるとしている法定事務に係る根拠法令を参照した上で、以下のことを確認してください。

ア 独自利用事務に係る根拠規範(条例、規則、要綱等。以下同じ。)において、「対象者」が原則として一致すること及び「目的」の書きぶりにおいて原則としてキーワードが一致すること。

イ 独自利用事務の内容が、法定事務における事務の内容(金銭及び物品を支給するもの、サービスを給付するもの又は金銭を貸与するもの)と類似していること。

ウ 独自利用事務の事務手続の類型が、利用特定個人情報提供省令5)で定める事務手続の類型(例:審査に関する事務)と類似していること。

5)行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律第十九条第八号に基づく利用特定個人情報の提供に関する命令(令和6年デジタル庁・総務省令第9号)

(3)届出の作成及び当委員会における確認

 上記(2)の検討が終了したら、実際に届出を作成します。なお、届出の提出・修正等は、システムを通じて行います。

 当委員会における届出事項の確認は、届け出る際に添付いただく根拠規範を参照しながら行います。上記(2)ウについては、独自利用事務の具体の事務手続の末尾が、準ずる先の法定事務の事務手続の末尾(例:審査に関する事務)と原則一致している必要がありますので、注意してください。また、情報連携を必要とする利用特定個人情報に関する根拠規定(条文)を明確に記載する必要がありますが、根拠規範中の別の条文を記載していたり、記載された条文の書きぶりではそもそも情報連携の必要性が読み取れないといったケースが多くみられます。届出の作成に当たっては、受付開始時に配布する記載例や注意事項をよくご覧くださいますようお願いいたします。

おわりに

 2025年7月現在、当委員会では42の事例を公表しています。まだ独自利用事務の情報連携制度を導入していない地方公共団体はもちろんのこと、既に導入している地方公共団体においても他に活用できる事務がないかご確認いただき、更なる利便性の向上、事務処理の迅速化・効率化のため、積極的な検討をお願いしたいと思います。

 制度の詳細やよくあるご質問につきましては、「独自利用事務の情報連携に関する手引」6)をご参照いただくほか、YouTubeの個人情報保護委員会チャンネルにおいても、独自利用事務につき地方公共団体職員向けの動画を公開しています7)ので、ぜひご覧ください。

6)https://www.ppc.go.jp/files/pdf/dokuji_tebiki.pdf
7)https://www.youtube.com/watch?v=bm9E8QwDAE0

 ご不明な点がありましたら、お気軽に当委員会へお問い合わせください8)

8)個人情報保護委員会事務局
TEL:03-6457-9605 Mail:kouhou.bangou@ppc.go.jp

 

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