【クレーム対応術】制止を聞かない迷惑ユーチューバーへの対応

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2025.02.26

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自治体職員のための 不当要求行為対応ブック

自治体職員のための
不当要求行為対応ブック -事例からわかるトラブル回避策-
編著者名:宇都木法律事務所(代表弁護士 宇都木 寧)
発行年月:2025/2
販売価格:3,080円(税込み)
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「不当要求行為対応ブック」では実際に起こった事例をもとに、それぞれの対応のポイントを簡潔にまとめて解説しています(基本編76問・応用編12問)。
本記事では、制止を聞かない迷惑ユーチューバーへの対応を抜粋してご紹介します!

庁舎内における制止を聞かないユーチューバーによるビデオ撮影・録画

本日、当市の複数の窓口に「○○市正義のユーチューバー」と名乗るXさんが押しかけ、当市役所本庁舎内で「市の職員は不正をするな」「税金泥棒に気をつけろ」「ユーチューブで公開」と、撮影をしています。

当市においては庁舎管理規則を定め、庁舎内はビデオ撮影禁止と張り紙等で警告をしています。職員もXさんを制止していますが、撮影を止めません。どうしたらよいのでしょうか。

 Xさんの行動を阻止すべく、職員数人でXさんを取り囲み、ホワイトホードでカメラの視界を遮断するとともに、退去を求めるべきです。そして庁舎内からも退去を求めるべきです。「撮影を止めて庁舎内から退去してください」と述べ、Xさんの行動を撮影してください。

 一般論として庁舎管理権に基づいて、撮影・録画を禁止することができます。

 ビデオ撮影・録画の場合、行為者が写そうとした対象以上に周辺の背景までも画面内にとりこむことになることから庁舎内の資料、来庁者の姿を無差別的に溶け込む危険性が高く、また来庁者の姿を無断で撮影・録画することになれば、住民が必要に応じて庁舎を利用する自由を制限するとともに、違法な個人情報の収集にもなりかねません。

「ビデオ撮影・録画については事前の許可を必要とすること、庁舎の執務及び来庁者の個人情報の保護に支障が無いときは許可することできる」とする規定があるならば、本事例のような庁舎管理者の指示、説得を無視し、ビデオ撮影・録画を強行した場合、どのような対応がとれるかですが、ビデオ撮影・録画により庁舎内の職員の執務、来庁者の個人情報の保護に支障があると判断される場合には、撮影者・録画者が庁舎内に立ち入ることを禁止するとともに、すでに庁舎にいる場合には、一定の場所への立ち入りを禁止し、庁舎外に退去させるべく、ある程度の有形力の行使は可能であると判断できます。ただし有形力の行使は緊急性がある場合、混乱を収拾させる場合に限り可能であると考えます。

いずれにしても警察の協力は必要であり、警告しても退去しない場合は不退去、立入禁止場所への立ち入りがなされた場合は住居侵入、当該人物が騒ぎ具体的に業務を妨害したときは威力業務妨害で被害届を提出し、刑事的対応をすべきです。

 

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