確定申告Q&A
【確定申告Q&A】給与所得以外の所得は、住民税の申告が必要?
地方自治
2025.02.11
目次

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出典書籍:月刊『税』2025年2月号 別冊付録「地方税務職員のための 令和6年分確定申告期税務相談窓口対応の手引き」
確定申告に向けて知っておきたい「こんな場合は?」をQ&Aでご紹介。
地方税務職員に長く参考書として使用されている「令和6年分 税務職員のための 地方税務職員のための 令和6年分確定申告期税務相談窓口対応の手引き」(月刊「税」2025年2月号 別冊付録)より引用しています。
この記事では、所得税の確定申告が不要で、住民税の申告が必要とされているものについて解説します。
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月刊 税 2025年2月号
別冊付録:地方税務職員のための令和6年分
確定申告期税務相談窓口対応の手引き
編著者名:ぎょうせい/編
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給与所得者で原稿料等の給与所得以外の所得がある場合には、所得税ではそれが一定額以下であれば確定申告が不要であるが、住民税では申告が必要と聞きました。
このように所得税で確定申告が不要とされている所得で、住民税では申告が必要とされるものにはどのようなものがありますか。

給与所得以外の所得がある場合には、その所得金額が僅少であっても、住民税の申告書の提出が必要である。また、一定の配当所得や特別徴収されなかった退職所得がある者も住民税の申告書の提出が必要である。

所得税では確定申告が不要とされている所得がある場合でも、住民税では源泉徴収制度が採られていないことなどから、次のような所得がある者は「市町村民税・道府県民税申告書(地規第5号の4様式)」の提出を必要とされている(地法317の2①)。
⑴ 給与所得者で給与所得以外の所得が20万円以下の者
所得税においては、給与所得以外の所得が20万円以下の場合には確定申告が不要とされているが(所法121①)、住民税では源泉徴収制度が採られていないことなどから、これらの所得を給与所得に合わせて申告する必要がある。
⑵ 公的年金等所得者で公的年金等所得以外の所得が20万円以下の者
所得税においては、平成23年分から公的年金等の収入金額が400万円以下で公的年金等以外の所得が20万円以下の場合には確定申告が不要とされているが(所法121③)、住民税では⑴と同様に申告書の提出が必要となる。
⑶ 退職所得のある者
退職所得に対する住民税の所得割については、原則として退職所得の支払の際に他の所得と区分して課税され、特別徴収の方法によって、徴収されるので(地法328)、これらの者は住民税の申告書の提出は不要である。ただし、退職所得の支払の際に特別徴収の方法によって徴収されなかった者は、他の所得と合算して課税されるため、住民税の申告書の提出が必要となる。
⑷ 特定配当所得のある者
住民税における課税方式を所得税と一致させるため、所得税において総合課税又は申告分離課税の適用を受けようとする旨の記載のある確定申告書が提出された場合に限り、総所得金額からこれらの金額を除外して算定するとの規定を適用しないこととされた(地法313⑬)。
また、申告分離課税又は総合課税の選択についても、所得税において申告分離課税の規定(措法8の4①)が適用された場合に限り、住民税においても申告分離課税を適用し、それ以外の場合は総合課税を適用することとされた(地法附則33の2②⑥)。
⑸ 特定株式譲渡所得のある者
特定株式等譲渡所得金額に対する課税方式についても、同様に、所得税において申告分離課税の適用を受けようとする旨の記載のある確定申告書が提出された場合に限り、総所得金額からこれらの金額を除外して算定するとの規定を適用しないこととされた(地法32⑮、313⑮)。
また、上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除についても、所得税の確定申告書を提出し、これらの措置の適用を受ける場合に限り、住民税においても適用することとされた(地法附則35の2の6)。
▼「確定申告期税務相談窓口対応の手引き」では、他にも以下のような解説を確認できます。
・住民税の申告について ・住民税の申告書を提出する必要性 ・住民税の申告を必要とする者及び必要としない者 ・申告書の提出期限及び提出先 ・給与所得者が雑損控除等を受ける場合の申告 ・公的年金等受給者が雑損控除等を受ける場合の申告 ・赤字が生じた年の翌年の申告
「確定申告期税務相談窓口対応の手引き」
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