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自治体最新情報にアクセス|DATABANK2025 月刊「ガバナンス」2025年7月号

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2025.08.22

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月刊ガバナンス7月号

月刊 ガバナンス 2025年7月号
特集1:地域を明るくする兼業・副業
特集2:世にも面白いナッジの世界
編著者名:ぎょうせい/編
販売価格:1,320 円(税込み)
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●「若者ケアラー実態調査」の結果を公表

 東京都港区(26万6300人)は、「若者ケアラー実態調査」を実施し、調査結果を公表した。同調査は、国が24年6月に「子ども・若者育成支援推進法」を改正し、支援対象を「家族の介護その他の日常生活上の世話を過度に行っていると認められる子ども・若者」と定義して、新たに18歳からおおむね39歳までの支援を求めていることを受けて行ったもので、若者ケアラーの実態を把握し、若者ケアラーへの切れ目のない支援につなげるのが目的。調査は、18歳~39歳の区内在住者から1万人を無作為抽出して24年12月16日~25年1月7日に実施し、郵送とインターネットで1989通の回答があった。

 その結果、世話をしている家族が「現在いる」は6.8%、「現在はいないが、過去にいた」が5.1%、「現在いる」と回答した人のうちヤングケアラーに「現在あてはまる」と回答した人は31.4%で、若年層の中にも家族ケアを担う人が一定数存在するが、自己認識している割合は低く、生活・健康・キャリア・精神面にさまざまな影響が及んでいる実態が明らかになった。特に①本人の若者ケアラーとしての自覚の乏しさや認知度の低さ、相談意欲の低さなどから、必要な支援につながりにくいこと、②ケアが若者の生活満足度、対人関係、進路や就職等の将来設計などに影響を与え、自己実現の機会や可能性が制限され、ケアが孤立や精神的負担の要因となっていること、③日常的な長時間にわたるケアにより、学業、就労等とケアの両立、自分の時間の確保などが困難であることが、課題であると考えられた。これらを踏まえ、若者ケアラーの早期把握と理解促進、支援制度の認知度向上、ケアによる孤立感や精神的負担の軽減、関係機関等と連携した多面的な支援に取り組んでいくことが必要だとし、区は今後の取組みにつなげるとしている。

(月刊「ガバナンス」2025年7月号・DATA BANK 2025より抜粋)

●県民や団体等からアイデアを募る「政策オリンピック」を実施

 岐阜県(196万7900人)は、「政策オリンピック」を実施している。県が掲げる「10の目指すべき目標」の実現に向けて、県民や各種団体から優れたアイデアを募集し、新たな政策を企画・立案・実施する手法として導入した取組み。優れたアイデアには県が活動費を補助し、アイデアの実践を支援する。また、効果が確認されたアイデアや手法については、必要な修正を加え、県の施策として他地域に展開する。

 第一弾として、①季節に応じた住民参加型訓練(「楽しく」参加できる防災訓練)と②ニホンザル対策のモデル構築(県民が作る対策の優良事例)のアイデアを募集した。

 ①は地域の防災力向上が目的で、防災課災害対策係が所管し、市町村や自治会を対象に5月30日まで募集。▷住民が楽しく参加でき、▷子どもと高齢者を含めた多くの住民が参加、▷季節の特色を踏まえた内容として1回以上実施、▷市町村と自治会が連携した防災訓練――のすべてが要件で、企画者からプレゼンテーションを受け、趣旨との合致、実現性、発展性などの項目で審査。採択された防災訓練には、25年度地域住民参加型訓練促進事業費補助金として1団体あたり上限200万円(補助率10分の10)を交付する。

 ②は農村振興課鳥獣害対策係が所管し、ニホンザルによる農作物被害を受けている地域において対策を実践する団体を対象に5月13日まで募集。▷実施地域の農作物をニホンザルから守る(主に収穫期の6~12月)、▷関係法令等の許認可、土地の所有者等の同意が確実に見込まれる、▷実施翌年度から3年間は地域の被害防止対策に努め、被害状況を報告する――を要件とし、企画のプレゼンテーションを行ってもらい、独創性・実現性・政策性等の観点から審査。特に優秀なアイデアには1団体あたり上限300万円(補助率10分の10以内)を交付する。

(月刊「ガバナンス」2025年7月号・DATA BANK 2025より抜粋)

●文化部活動の地域展開「羽島モデル」を始動

 岐阜県羽島市(6万6800人)は、中学校・義務教育学校の運動部活動に続き、文化部活動の地域展開を本格的に開始した。市では、2020年度から地域住民が運営する総合型地域スポーツクラブを活用し、従来学校で行ってきた中学校の部活動を地域に展開する取組みを進めており、24年度末に休日の市内全学校の運動部活動の地域展開が完了。25年度からは文化部活動の地域展開を推進していく。まず、美術クラブと茶華道クラブを設置し、活動を開始した。

 同市の部活動地域展開の特色は、生徒が通う学校に設置されていない部活動であっても学校区にかかわらずクラブに加入することができ、複数のクラブに所属することもできるため、生徒には平等で多様な選択肢が確保される点。生徒がやりたい競技や分野でさまざまな挑戦をすることができる、全国的にも珍しい取組みだ。運営主体となるのは、24年12月に市内の3つの総合型地域スポーツクラブの統括組織として設立された「一般社団法人スポーツクラブ840」。市内5校の運動部活動・文化部活動の地域展開受け入れ団体として活動の支援を行い、指導者の資質向上の面でも地域連携を進めている。

(月刊「ガバナンス」2025年7月号・DATA BANK 2025より抜粋)

●「里親支援センター」を開設

 福岡市(159万3900人)は、家庭環境の事情などによって親元で暮らせない子ども(里子)を育てる里親制度において、家庭養育の支援による子どもの養育環境の向上に向けて「里親支援センター」を開設した。

 施設名は福岡市里親支援センター「ブルームウェル」で、同市中央区舞鶴1丁目の民間ビル2階に設置。8時30分~18時(年末年始を除く)に開設し、利用対象者は里親や里親に委託されている子ども、里親登録希望者など。運営は市の認可を受けた特定非営利活動法人キーアセットが担い、児童相談所や学校、こども家庭センター、児童福祉施設、NPO法人などと連携して、里親のリクルートと研修、里親と委託児童に対する委託前から解除後までの包括的な支援を行う。具体的には、①里親希望者に対するリクルートと研修、トレーニング、交流などの支援、②里親に対する研修・トレーニングやマッチング、養育支援や交流支援など、③委託児童に対する相談や交流などの支援――に取り組む。

 里親制度を支援するNPO活動が活発な福岡市は里親のもとで暮らす子どもの割合(里親等委託率)が高く、23年度末は56.2%で全国2位だった。

(月刊「ガバナンス」2025年7月号・DATA BANK 2025より抜粋)

●ビッグデータとAIを活用した健康支援事業を推進

 神奈川県横須賀市(38万3500人)は、㈱JMDCと連携し、ビッグデータとAIを活用した健康支援事業を開始した。データ解析だけでなく、その結果に基づいて保健師が一人ひとりに寄り添って健康支援までを行う先進的な試みで、全国初の取組みとみられる。

 市では22年度から、地区担当保健師による全世代に向けたアウトリーチ型の保健活動を進めているが、より多くの市民に最適な支援を届けるうえで、医療・介護・健診などのデータが個別に存在し、それらを効果的に分析するノウハウも不足していることが課題となっていた。そこで、2000万人分の健康ビッグデータとその解析技術を持つJMDCと連携して市民の健康支援事業に取り組むことにした。同事業では、市保有の健康関連データを個人単位で連結し、JMDCのAIを活用したビッグデータ解析に基づいて、将来、健康面で困難に直面する可能性が高い市民を抽出し、保健師がその市民に合った支援を行う。支援は継続し、データを蓄積・分析することで、より効果的な方法に改善する。そのことによって、市民の健康寿命の延伸と医療費の削減・適正化につなげていくことを目指していく。

 25年度は糖尿病予防事業として実施。従来の特定健診で国の基準値を超えた人を機械的に抽出する方法では気づけなかった糖尿病発症リスクが高い市民を、特定健診以外の病歴や調剤などのデータを個人単位で結びつけ、ビッグデータと照らし合わせて、基準値を超えなくても糖尿病の可能性が高い人として200人抽出し、希望者に保健指導を行う。

 続く26年度以降は、介護予防の観点から、要介護リスクの高い市民へのアプローチを予定。対象者を75歳以上の後期高齢者に広げ、データ分析に基づいた保健指導を、より多くの市民に届けていく。

(月刊「ガバナンス」2025年7月号・DATA BANK 2025より抜粋)

 

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