◆平成18年の自殺対策基本法を契機に自殺対策は社会的な課題に位置づけられ、各地での不断の努力によって平成 24 年には 15 年ぶりに「自殺者3万人」を下回りました。
◆しかし、いまなお1日に70人、年間2万5,000 人超が自殺で亡くなっており、今後、自治体をはじめ自殺対策はさらに大きな課題となっていきます。本書では、日本の自殺対策に携わる第一線の精鋭が結集しこれからの自殺対策を明らかにします。
◆自治体や民間団体など現場での実践的な取組みはもちろん、自殺問題や多分野連携による対策のあり方など、いま課題となっている問題に対してさまざまな角度から解決の糸口を示します。さらに、それらを一歩進め、政策立案へとつなぐ具体的な方法についても明らかにした一冊です。
◆具体的な取組み事例はもちろん、今後の流れや、施策としての自殺対策の効果検証の方法なども紹介し、人材育成用テキストとしても使える。
目次
第1部 自殺対策のいま
1 自殺とその対策のいま
2 統計データから浮かび上がる「自殺」
3 自殺対策の効果と、その評価
4 地域で支える「いのち」
第2部 自殺対策の「最前線」
1「日本自殺総合対策学会」の意義
2「自死遺族」を支援する活動
3 秋田ふきのとう県民運動
4 新潟いのちの電話
5 東尋坊における自殺対策活動
6 地方自治体における自殺対策活動
7 職場のメンタルヘルスと自殺対策
8 民学官連携による秋田県の自殺対策と「いのちの総合相談」事業
第3部 実践と理論に基づく、自殺対策のこれから
1 知と行動の統合で「いのち」を守る
2 わが国における自殺対策の推進
3 自殺対策の今後のあり方
4 これからの自殺対策─厚生労働省の立場から
5 多重債務問題と自殺対策
6 連帯保証問題と自殺対策
7 経済学の観点から見た自殺対策の政策展開
8 公衆衛生学の観点から見た自殺対策の政策展開
9 精神保健政策の国際的動向から見た自殺対策の展開
10 幸福度から見た自殺対策
11 児童生徒の自殺対策
12 法医学の観点から見た自殺対策の政策展開
13 「自殺希少地域」の調査から得られた気づき
14 マスメディアと自殺対策
15 自殺対策の今後の展望
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編著者紹介(肩書は発刊当時、敬称略)
本橋 豊…もとはし・ゆたか/京都府立医科大学特任教授
執筆者一覧
(本書執筆登場順/肩書は執筆時による)
本橋 豊(京都府立医科大学 特任教授)
久保田貴文(多摩大学経営情報学部 准教授)
坂下 智恵(青森県立保健大学健康科学部 講師)
大山 博史(青森県立保健大学健康科学部 教授)
大野 裕(独立行政法人国立精神・神経医療研究センター 認知行動療法センター長)
河西 千秋(札幌医科大学大学院医学研究科精神機能病態学 教授)
中村 純(産業医科大学医学部精神医学教室 教授)
大塚 俊弘(長崎県県央保健所所長 兼 長崎県福祉保健部医療監)
上田 路子(シラキュース大学 研究助教授)
松林 哲也(大阪大学大学院国際公共政策研究科 准教授)
中村 和利(新潟大学大学院医歯学総合研究科環境予防医学分野 教授)
北村 香織(新潟大学大学院医歯学総合研究科環境予防医学分野 助教)
大塚耕太郎(岩手医科大学医学部災害・地域精神医学講座 特命教授)
安村 誠司(福島県立医科大学医学部公衆衛生学講座 教授、
同大放射線医学県民健康管理センター 副センター長)
川上 憲人(東京大学大学院医学系研究科精神保健学分野 教授)
藤田 幸司(秋田大学大学院医学系研究科公衆衛生学講座 助教)
金子 能宏(国立社会保障・人口問題研究所 政策研究連携担当参与)
生越 照幸(自死遺族支援弁護団 弁護士)
森山 花鈴(NPO法人ぐりーふサポートハウス、元内閣府自殺対策推進室)
反町 吉秀(大妻女子大学大学院人間文化研究科 教授)
竹島 正(独立行政法人国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所 自殺予防総合対策センター長)
小高 真美(独立行政法人国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所 自殺予防総合対策センター研究員)
南島 和久(神戸学院大学法学部 准教授)
中西 三春(公益財団法人東京都医学総合研究所心の健康プロジェクト精神保健看護研究室 主任研究員)
清水 康之(NPO法人自殺対策支援センターライフリンク代表)
杉本 脩子(NPO法人全国自死遺族総合支援センター代表)
石倉 紘子(「こころのカフェ きょうと」代表)
山口 和浩(NPO法人自死遺族支援ネットワークRe代表)
袴田 俊英(心といのちを考える会代表)
及川紀久雄(社会福祉法人新潟いのちの電話理事長)
茂 幸雄(NPO法人心に響く文集・編集局理事長)
片岡 美佳(京都府健康福祉部福祉・援護課自殺防止対策担当課長)
金子 善博(秋田大学大学院医学計研究科公衆衛生学講座准教授)
中山 泰(京丹後市長)
馬場 優子(足立区こころとからだの健康づくり課長)
尾? 健一(株式会社ライフワーク・ストレスアカデミー代表取締役)
佐藤 久男(あきた自殺対策センターNPO法人「蜘蛛の糸」理事長)
椿 広計(統計数理研究所 教授)
岡 朋史(内閣府自殺対策推進室 参事官)
樋口 輝彦(独立行政法人国立精神・神経医療研究センター 総長)
伊東千絵子(厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部精神・障害保健課心の健康支援室 PTSD専門官)
茆原 正道(利息制限法金利引下実現全国会議代表 弁護士)
茆原 洋子(43条対策会議代表 弁護士)
澤田 康幸(東京大学大学院経済学研究科 教授)
伊藤 弘人(独立行政法人国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所社会精神保健研究部 部長)
高橋 義明(筑波大学システム情報系社会工学域 准教授)
高橋 祥友(筑波大学医学医療系災害精神支援学講座 教授)
岩瀬博太郎(千葉大学大学院・東京大学大学院法医学教室 教授)
岡 檀(和歌山県立医科大学保健看護学部 講師)
玉木 達也(株式会社毎日新聞社 高松支局長)