授業研究、国語教育の実践に定評のある著者が、“ことば”をテーマに、学校・学級が“学びあう”ための秘訣を紹介。
学校現場の授業づくりのテーマとして、「学びあい」が大きくクローズアップされています。
この「学びあい」とは、教師の確かな指導のもとで、「子ども同士がお互いに意見を交換しあいながら学習を深めていく」というものです。
ところが、教師の説明が長すぎるなどの原因から、子どもの学びあいが妨げられているケースが多々あることが指摘されています。
そこで、よりよい「教師の話し方・聴き方」のポイントを多数の実践例を盛り込みながら、具体的に活用できるものとして紹介します。
また、本書は授業づくり以外にも、以下のように、教師が校内外で直面する様々な場面を想定しています。
【子ども】
これまでよく見られていた画一的な対応ではなく、子ども一人ひとりの多様な考えを引き出す手法を紹介。
【保護者】
「モンスターペアレンツ」に代表されるように、保護者対応は学校の喫緊の課題です。
【同僚】
校内の急速な世代交代(団塊世代の大量退職・若手教師の急増)で、同僚とのコミュニケーションの取り方が難しくなっていることが問題となっています。
目次
1 あなたは、どんな話し方、聴き方をしていますか?
・子どものおしゃべり、話しかければ止みますか?
・あなたの話、子どもたちは本当に聴いていますか?
・長い話、くどい話になっていませんか?
・子どものことばを待てますか?
・どんなことに留意しながら子どもの話を聴いていますか?
ほか
2 授業を変える話し方・聴き方
・間違いに存在する子どもの考えが聴けたとき
・予測を超える子どもの考えを受け取れたとき
・子どもの考えに即興的に対応できるとき
・子どもの考えがテキストとつながるとき
ほか
3 ことばがつながりと信頼感をはぐくむ〜子どもと、保護者と、同僚と
・子どもの心を解きほぐす教師の語りかけ
・子どものやる気を引き出す教師のことば
・信頼感をはぐくむ保護者との対話
・学び合いを深める同僚とのコミュニケーション
・研究協議会におけるコミュニケーション
ほか
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著者紹介(肩書は発刊当時、敬称略)
石井順治…いしい・じゅんじ/東海国語教育を学ぶ会顧問