近年、熟年結婚や国際結婚が増加する一方で、永年連れ添ったカップルの熟
年離婚も増加しています。これに伴う夫婦間の財産分与トラブルへの対策の
ひとつが、あらかじめ夫婦間で財産の帰属等を確認し、契約を交わして登記
しておく「夫婦財産契約」の制度です。
互いに連れ子がある再婚夫婦の遺産分配の仕方は?など、
トラブルにつながりそうな事項を整理し、争いを防ぎます。
夫婦財産契約はあまり知られていない制度ですが、実は明治時代からある
制度です。うまく使えば夫婦が互いを尊重しあい、幸せに生活する助けに
なるものです。
著者は、クライアント(資産家)からの離婚相談の実務経験と、明治期から
現在までの夫婦財産契約例の分析・研究を重ねてきたベテラン税理士。
実際の契約に使える文例も、夫婦の年齢や立場、財産管理スタイル(財布を
共通にするか別にするかなど)などのパターン別に収録。
独自に122件もの登記実例を収集して、エッセンスをまとめそれぞれに解説を収録。
実務的にも学術的にも、貴重な情報源となる書籍です。
目次
1 我が国の契約財産制
1 夫婦財産制度の遠隔
2 我が国夫婦財産契約の学説
3 調査の報告
2 各国の財産制
3 財産制別のモデル契約
4 我が国夫婦財産契約の登記例の紹介
索引
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編著者等紹介(肩書は発刊当時、敬称略)
山田俊一…やまだ・しゅんいち/税理士(さいわい総合事務所)
1972年 中央大学卒業
1981年 税理士試験合格
1995年 横浜国立大学大学院国際経済法学研究科(修士)課程修了
同年 さいわい総合事務所(税理士・司法書士・弁護士の事務所)代表
2001年 東京地方税理士会 税法研究所主任相談員
2008年 成城大学大学院法学研究科博士後期課程(民法専攻)単位取得退学
日本税理士会連合会「税制審議会」専門委員、東京地方税理士会「税法研究所」主任研究員、
早稲田大学法科大学院租税法アカデミックアドバイザーなども務めたベテラン税理士。