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土地の評価は、特に個別性が高いため相続時や生前贈与の際、悩ましい事例に遭遇することが多い。
税理士にとっては、申告後もその時の判断が正しかったのか、税務調査で指摘されないかという不安がつきまとってしまう分野。
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★相続専門の不動産鑑定士が、税理士から実際に寄せられる質問を類型化し、Q&A形式で判断のポイントを解説!
★国税庁から出される財産評価基本通達や国税庁HPの質疑応答事例、国税不服審判所の裁決例などに土地の専門家である不動産鑑定士の視点をプラスし、解決の方向を導きます。
目次
1 評価単位、地目判定
1-1 共同住宅と敷地内駐車場の評価単位
1-2 2筆にまたがった宅地と山林の評価単位
1-3 自宅敷地と家庭菜園の評価単位
1-4 路を一体評価すべきか
1-5 登記地目が農地の休耕地の評価
1-6 1棟の建物内で用途が異なる場合の評価単位
1-7 区切って利用されている共有地の評価単位
1-8 用悪水路の評価
1-9 建物が2筆にまたがる場合の評価単位と評価方針
2 宅地造成費
2-1 平坦地の宅地造成費の計上の際の寸法の測り方
2-2 太陽光発電設備用地の造成費は計上可能か
3 地積規模の大きな宅地の評価
3-1 市街化区域と市街化調整区域にまたがる大きな土地
3-2 地積規模の大きな宅地の評価にかかわる容積率の算定
3-3 開発許可が得られない土地は地積規模の大きな宅地の評価適用が可能か
3-4 倍率地域にある地積規模の大きな宅地の評価における補正率
4 私道、歩道上空地
4-1 通り抜けできる私道はゼロ?自用地価額の3割?
4-2 ゼロか3割か判断に迷う私道
4-3 倍率地域にある私道の評価
4-4 歩道として誰でも通れる通路が道路沿いにある分譲マンションの敷地
5 利用価値が著しく低下している宅地
5-1 防音壁によって道路から出入りできない部分がある場合の減価
5-2 畑の近くの線路の騒音は減価できるのか
5-3 工場敷地の近くの線路の騒音は減価できるのか
5-4 高低差による利用価値低下10%減の判断基準
5-5 二方路地の一方の道路が高い場合の利用価値低下10%減の可否
5-6 法面のある工場用地の利用価値低下10%減の可否
5-7 墓地の向かいにある大きな土地
5-8 線路沿いの分譲マンションの1室の評価
6 倍率地域、固定資産税評価額、固定資産税路線価、近傍標準宅地単価
6-1 倍率評価で固定資産税評価額を使わない場合の根拠
6-2 倍率表の借地権割合の欄が空欄の場合
6-3 農地転用許可を受けた畑の評価
6-4 元牧場の評価
6-5 倍率地域で登記地目、固定資産税課税地目と現況地目が異なる場合
6-6 倍率地域にある農業用施設用地
6-7 登記地目、固定資産税課税地目、現況地目いずれも異なる倍率地域の土地評価
7 無道路地
7-1 接する私道に持分がない場合は無道路地か
7-2 接道義務を満たしていない1,200㎡の市街地農地
7-3 無道路地評価における想定開設通路の取り方
8 側方路線・裏面路線影響加算、正面路線の判定
8-1 側方路線影響加算はしなくていいのか
8-2 準角地か
8-3 旗竿状の二方路地の正面路線判定
8-4 不整形な二方路地の正面路線の判定
8-5 建築確認と固定資産税評価の正面路線の取り方が異なっている場合の正面路線の判定
9 役所調査
9-1 役所調査の際窓口で幅員3.7mの市道が建築基準法第42条第1項第1号道路といわれた場合
9-2 役所調査は実際に役所庁舎の窓口に行った方がいいのか
9-3 役所の窓口で都市計画道路は整備済みと言われた場合
10 路線価、特定路線価
10-1 なぜ建築基準法上の道路でないのに路線価が付いているのか
10-2 建築基準法上の道路ではない道に路線価が付いている場合
10-3 特定路線価を設定しないと否認されるのか
11 権利の付着している土地
11-1 土地賃貸借契約が締結されている元水路が介在する工場敷地の評価
11-2 借地権の上に建っている賃貸併用住宅
11-3 複利表に記載のない場合
11-4 貸家に隣接した駐車場部分も貸家建付地評価できるのか
11-5 地役権が設定されていない高圧送電線下地の減価は可能か
12 セットバック
12-1 2項道路だが区から幅員6mに拡幅をお願いされている場合のセットバックの扱い
12-2 告示建築線がある場合
13 市街化調整区域内の土地
13-1 市街化調整区域内の違法建築された建物の敷地の評価
13-2 市街化調整区域内の土地に所有者不明の建築物がある場合
13-3 市街化調整区域内の宅地の評価におけるしんしゃく
13-4 市街化調整区域内の雑種地のしんしゃく①
13-5 市街化調整区域内の雑種地のしんしゃく②
13-6 市街化調整区域内の雑種地のしんしゃく割合判定のための役所調査
14 都市計画道路予定地
14-1 角地の容積率の計算
14-2 倍率地域の都市計画道路予定地の評価
14-3 都市計画道路が事業認可されている場合の評価
15 時価
15-1 無道路地の評価額は適正か
16 雑種地
16-1 電柱が立っている狭小地の評価
16-2 貸し付けられたゴルフ場の評価
17 間口距離、奥行距離、想定整形地
17-1 正面路線に路線価が付いていない場合の想定整形地の取り方
18 埋蔵文化財包蔵地、庭内神しの敷地
18-1 分譲マンション敷地内にあるお社部分の減価
18-2 現実的に相続登記できない共有の神社敷地
18-3 神社の敷地として無償で貸し付けられている土地
18-4 埋蔵文化財包蔵地の試掘調査費の負担は事業者と役所で言われた場合
19 土地区画整理事業施行中の宅地
19-1 土地区画整理事業施行区域内の個別評価
20 建築基準法の規定
20-1 土地評価に必要な建築基準法の知識とは
20-2 建築基準法第22条の指定区域内の土地の減価
20-3 外壁後退とは
21 地積
21-1 登記面積と固定資産税の課税面積が大きく異なる場合
22-2 登記地積900㎡と概測面積1,100㎡どちらを採用すればよいか
22 計測機器、評価ツール
22-1 土地評価に適した計測機器は
22-2 想定整形地の作成ソフト
23 現地調査
23-1 遠方の評価対象地の場所がわからない場合の現地調査
23-2 現地調査時の写真の撮り方
著者紹介
鎌倉 靖二(かまくら・せいじ)(不動産鑑定士・みらい総合鑑定株式会社 代表取締役)
福岡市生まれ。修猷館高校、明治大学政経学部卒業後、大和ハウス工業株式会社を経て、相続・同族会社専門の不動産鑑定事務所として2010年創業。
現在、全国の税理士事務所、会計事務所向けに相続・贈与における土地評価の現地調査、役所調査、評価額算出、評価方針アドバイス、図面作成、セカンドオピニオン等を主に行う。
2018年、会員組織「税理士のための土地評価実務研究会」を立ち上げ、セミナー動画・個別質問回答・リアルタイム情報発信で土地評価の疑問解決とスキルアップの支援をしている。税理士会等でのセミナー研修、講演多数。
主な著書に『相続税ゼロの不動産対策』(共著、幻冬舎MC、2013年)、『相続税・贈与税 土地評価実務テキスト』(税務研究会出版局、2014年)、『20の厳選事例から判定スキルを身につける 広大地評価ケーススタディ』(中央経済社、2014年)、『税理士のSOSに答える 実務解説 土地評価の実務 減価要因の「見つけ方」「気付き方」』(清文社、2016年)、『税理士を悩ませる 相続・贈与の土地評価Q&A 100選』(ぎょうせい、2022年)等。