いざ、いじめが起きたとき……
組織的・適時適切な“対応”が子どもを救う!
研究者+現職校長+第三者委員会委員長 3つの立場で経験豊富な著者が明快解説
●基本編
「ネットいじめ」「コロナいじめ」ほか最新の状況・知見を押さえつつ、「いじめ」の定義・認知、教委への報告の時期・方法など、いじめ防止対策推進法やガイドラインだけでは判断に迷う点についての拠り所がわかります。
●実践編
「防止」「認知」「対処」「重大事態」の4局面・20のQ&Aを収録。宿泊行事での班分け、子ども同士のけんか、重大事態の調査報告書の書き方など、実際の場面で生じる悩ましい問題を事例(Case)として取り上げ、より踏み込んだ具体的な対応のヒントが見つかります。
目次
基本編 「いじめに対応できる学校」とは?
1 いじめ防止対策推進法施行後のいじめ防止対策とは
いじめ防止対策推進法とは何か/いじめの定義と積極的な認知/いじめ防止のために何ができるか
/SCやSSWの活用とは/問題あるいじめ対応にはどのようなものがあるか
2 最新のいじめを理解する五つのキーワード
ダブルバインド型いじめ~「ステメいじめ」や「いじり」はなぜ深刻か~
/
コロナいじめ~感染リスクを高める者は排除されるしかないのか~
/多数決ゲーム~教員も巻き込まれる排除の構造~
/脱いじめ傍観者~学級の風土が第三者の行動を変える~
/SOS の出し方に関する教育~相談した後のイメージを描く~
3 深刻ないじめを生じさせない学校運営
子どもを心配する組織、傾聴する生徒指導/当事者意識としての校長のリーダーシップ
/保護者との信頼を構築するために何ができるか/教育委員会とどのように連携するか
/いじめが生じにくい学校をつくるとは
4 いじめ重大事態にどう対応するか
法的義務と道義的責任/重大事態調査の実際とは~学校が調査の主体となる場合~
/調査進行中における学校の責務~学校設置者が調査の主体となる場合~
/危機管理と学校広報/再発防止策を学校運営に反映させる
実践編 いじめCase Study
1 いじめ防止の局面 2 いじめ認知の局面 3 いじめへの対処の局面 4 重大事態の局面
Case1 学校への携帯電話・スマートフォンの持ち込みを認めることになりました。
ネットいじめ等の問題をどのように防止することが必要でしょうか。 など20問
>実践編「全Case一覧」がこちらからご覧になれます。
編著者プロフィール
藤川大祐(ふじかわ・だいすけ)
千葉大学教育学部教授(教育方法学、授業実践開発)。1965 年東京生まれ。東京大学大学院教育学研究科博士課程単位取得満期退学。金城学院大学助教授、千葉大学准教授等を経て、2010 年より現職。千葉大学教育学部附属中学校長及び千葉大学教育学部副学部長を併任。メディアリテラシー教育、数学教育、キャリア教育、道徳教育等、教科・領域を超えた新しい授業実践や教材の開発に取り組むとともに、いじめ・学級経営についても研究。千葉市教育委員、内閣府「子供・若者育成支援推進のための有識者会議」構成員、NPO 法人企業教育研究会理事長、NPO 法人全国教室ディベート連盟理事長等を務める。