中小企業の中には、将来の退職金資金となる定期保険やガン保険(第三分野保険)の保険料に使うとその全額が経費となるため、意図的に赤字となる会社もありました。
こうした節税効果を規制した国税庁新通達(2019.7.8)を徹底的に解説します!
本書のポイント
○2019年7月8日の国税庁の通達改正により、同日以降の定期保険・第三分野保険(損害保険会社も扱える商品)の節税効果がなくなり、同年10月8日以降の解約返戻金のない少額の保険料の商品のみ事業年度に損金算入できるようになりました。
〇生保全社と税理士等の代理店は節税効果をセールストークに販売できなくなるため、本来の保険目的(福利厚生、退職金準備、老後保障など)に沿って販売していく必要があります。
〇本書は保険を販売する側の方を対象に、生保税務に精通する著者が、税務トラブルとならない販売方法を解説するものです。生損保業界は、新通達の内容に沿って対象商品の販売を再開する動きを見せており、販売員や販売代理店向けの研修は来年3月の決算期に向けて増えることが見込まれ、本書は研修テキストに使えるものです。
目次
第1編 入門編
第1章 生命保険税務は何でむずかしいのだろう?/第2章 新しい通達の概要/第3章 新しい通達について質問があります!/第4章 生命保険はどのように活用するのですか?/第5章 支払調書はどう変わったのですか?
第2編 こんな時どうする?トラブル回避事例(法人編)
第1章 保険料で困った!/第2章 保険金で困った!/第3章 契約見直し等で困った!/第4章 役員退職金慰労金で困った!/第5章 従業員退職金で困った!
第3編 こんな時どうする?トラブル回避事例(個人編)
第1章 保険料で困った!/第2章 保険金で困った!/第3章 契約見直し等で困った!/第4章 年金で困った!/第5章 個人事業主で困った!
第4編 こんな時どうする?トラブル回避事例(相続贈与編)
第5編 資料集
著者プロフィール
追中 徳久(おいなか のりひさ)
税理士、日本税務会計学会法律部門委員、生命保険経営学会所属、補佐人税理士。
1983年早稲田大学法学部卒業、1994年筑波大学大学院経営政策研究科企業法学専攻修了。
大手生保会社での勤務経験を活かし、生命保険や相続・贈与について年間6,000件を超える相談業務で活躍中。
<主な著書>
『生命保険税務と周辺問題Q&A』(共著、新日本保険新聞社)
『節税Q&A』(共著、TAC出版)