地域を担う人財づくりが決め手!
持続可能な自治体のコミュニティ政策
◆衰退にストップ!ほどよく躍動する地域コミュニティをどうつくるか
多くの自治体で人口減少・税収減が進む中、“ほどよく躍動する持続可能な地域コミュニティ”をつくるためには、自治体職員をはじめ、地域の担い手としての「若者」「女性」を含む多様な人財が必要だ。本書では、地域の人財づくりにフォーカスして考察。
◆地域の問題解決に向けたヒントを提示
自治会、町内会、RMO(地域運営組織)とは何かなど、コミュニティの基礎知識をわかりやすく整理。その上で、コロナ禍がコミュニティ自治に与えた影響や、地域の高齢化、自治会・町内会への加入率低下など従来からの地域コミュニティの困りごとや問題解決に向けて、「虫の目」=ダウンスケーリングという着想で、地域人財、地域カルテ、財源などの各論点から、各地の取組事例を交えて解説する。
目次
第1章 コミュニティの現在
1 躍動するコミュニティ、萎縮するコミュニティ
2 コミュニティの現状と見取り図
3 本書の構成
第2章 マルチスケールに考えるコミュニティ自治
1 「虫の目」=ダウンスケーリングという着想
2 コミュニティ自治とマルチスケール・ガバナンス
3 マルチスケールな「地域人」モデル
第3章 地域人財としての自治体職員と地域担当制
1 自治体職員の多様な地域への関わり方
2 地域担当職員制度(地域担当制)
3 地域担当職員の実践上の心構え
第4章 「担い手不足」問題と地域人財の循環
1 「担い手不足」問題の本質
2 中間支援と循環する地域人財
3 地域づくりで問われる「チーム我がまち」
第5章 過去・現在・未来をつなぐ地域カルテ
1 地域カルテとは
2 地域カルテとEBPMマインド
3 地域計画と合意形成
第6章 コミュニティ自治と財源
1 自治を基礎づけるコミュニティ財政
2 プラットフォームとコミュニティ財政
3 「攻め」の会計と自主財源によるコミュニティ経営
4 財政ダウンスケーリングと一括交付金制度
5 ダウンスケーリングの進化と深化
第7章 終わりに―コミュニティの未来図の描き方
編著者プロフィール
大杉 覚(おおすぎ・さとる):東京都立大学法学部教授
1964年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了,博士(学術)。成城大学法学部専任講師、東京都立大学法学部助教授などを経て現職。専門は、行政学・地方自治論。研究テーマは、大都市制度、行政組織・人事制度、自治体政策形成、地域づくり、地域コミュニティに関する研究。
自治大学校講師のほか、(一財)地域活性化センター全国地域リーダー養成塾主任講師、多摩市第7期自治推進委員会委員・会長、世田谷区せたがや自治政策研究所所長など、国、自治体の審議会・研究会の委員等を多数歴任。
共著に、『これからの地方自治の教科書』(第一法規 2019年)、『地方自治論―変化と未来』(法律文化社 2018年)、『人口減少時代の地域づくり読本』(公職研 2015年)、『シリーズ自治体政策法務講座4 組織・人材育成』(ぎょうせい 2013年)など。