深刻事故発生時、そして事故後、どう対応すべきか?
○119番通報、心肺蘇生、園内での役割分担、事実の記録など、緊急時の対応法を解説。
○迅速な対応のために不可欠な「役割分担表」の書式例と活用例を紹介。
○検証のために重要となるのが「記録」。職員一人ひとりが記憶を書きとめるための「記録用紙」とその活用法を具体的に提案。
溺水、誤嚥※、転落、窒息……
防げるはずの深刻事故。
二度とくりかえさないために。
○現場目線で深刻事故(死亡・重傷・重症にいたる事故)の予防と対応策をまとめるもの。医学・法律・心理・保育等の専門家と、遺族(保護者)が、それぞれの知見と願いをこめ、保育と子育て支援の全関係者に向けて送る画期的な書。
○再発防止のための検証制度づくりを提案。
※誤嚥=食物や異物が気管内に入ること。
目次
○心肺蘇生の流れ
○「緊急時の役割分担表」の書式例と記入例
○「個人の記憶の記録用紙」の書式例と記入例
第1章 深刻事故が起きたとき―緊急時対応
1 救急対応―子どもが意識を失った、危険な状態にある、というときの対応
2 園での対応―あらかじめ決めておいた役割分担に従って、迅速に
3 園での対応―事故後の対応、再発防止、そして、保護者とのかかわりの重要性
第2章 「起きたこと」を記録、検証する大切さ―システムづくりの提言
1 原因調査の現状と重要性―予防可能性を広げる
2 経緯、原因を明らかにするシステムづくりを―子どもを失った一人の親として
第3章 深刻事故はどの園でも起こり得る―事例に学ぶ
1 保育現場での深刻事故事例―Injury Alert(傷害速報)より
固定遊具のすき間に首がひっかかった事例
木製おもちゃの誤嚥による窒息
スーパーボールによる窒息
室内ブランコによる頭蓋内損傷
2 保育現場での深刻事故事例―日々の報道から学ぶこと
溺 水
頭部(脳)外傷、脳震とう
食物アレルギー
第4章 深刻事故の予防と対応のために―基本的な考え方と日常の取り組み
1 深刻事故の予防と対応のために―知っておいていただきたいこと
2 深刻事故の予防と対応のために―日常的に取り組んでいけること
〔特別コラム〕小児救急トレーニングの大切さ / クライシス・コミュニケーション
編著者紹介(肩書は発刊当時、敬称略)
山中龍宏…やまなか たつひろ)/緑園こどもクリニック(横浜市泉区)院長。医学博士。専門は小児科学。
寺町東子…てらまち とうこ/弁護士、社会福祉士。
栗並えみ…くりなみ えみ/名古屋大学教育学部人間発達科学科卒業。
掛札逸美 …かけふだ いつみ/心理学博士(社会/健康心理学)。NPO法人保育の安全研究・教育センター代表。