全国4か所で開催された巡回10時間セミナーでの全8講を1冊にまとめました。
地方制度調査会会長も務める著者が、地方自治が進むべき道筋を明らかにします。
目次
開講の辞
第1講 自治の原型と発展
自治(自律)と支配(他律)
自治の原型と支配の原型
社会構造の変動と統治の変貌
家族の変貌と福祉保健医療サービスの膨張
「まちづくり」の課題と担い手
第2講 協働と参加の住民自治
協働の領域―地域自治組織と自発的結社
コミュニティ単位の協働
参加の領域
第3講 地方分権改革の流れと路線
地方分権改革の流れ 「残された課題」
「政治主導」に基づくその後の改革の流れ
第4講 市区町村計画の策定
市区町村計画を策定する意義 市区町村計画に盛り込むべき計画事項
住民参加による策定手続と計画手法
生活環境指標(コミュニティ・カルテ)を作成する意義
首長の政治主導と市区町村計画策定の周期及びローリング
第5講 自治体職員の役割と心構え
自治体職員の専門能力とは何か
自治体職員の公共感覚
地方分権改革の成果を活かせ
第6講 道州制構想と大都市制度再編構想についての私見
「道州制構想」についての私見
「出先機関の原則廃止」論議についての私見
大都市制度再編構想についての私見
第7講 東日本大震災に想う
東日本大震災の特殊性
東日本大震災への対応と地方自治
土地利用計画規制諸法と復興計画の策定
救助・救援・復旧・復興のための職員派遣の仕組み
離散家族を把握する仕組み
第8講 地域の振興と成熟―原発事故に鑑みて
原発立地自治体と基地立地自治体
地域の振興と成熟
誘致と内発的発展
地球温暖化対策―抑制策と適応策
エネルギーの地産地消
終講の辞
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著者紹介(肩書は発刊当時、敬称略)
西尾勝…にしお・まさる
1938年生まれ。東京大学法学部教授、同学部長、国際基督教大学教授を経て、2006年4月から(財)東京市政調査会(12年4月に(公財)後藤・安田記念東京都市研究所に改称)理事長。専門は行政学・地方自治論。95年から地方分権推進委員会委員・行政関係検討グループ座長を務め、第1次分権改革を推進。第27次・第28次地方制度調査会委員、地方分権改革推進委員会委員(委員長代理)、地方行財政検討会議構成員(第一分科会主査)などを歴任。現在、第30次地方制度調査会会長。21世紀臨調共同代表も務める。