教師のライフコースから若手育成の道筋を示す1冊
大量退職・大量採用などにより、学校現場では20~30代の若手教員の割合が急増。指導技術等の継承が困難になるなど、若手育成が喫緊の課題となっています。
本書では特に、教師のライフコースにおける「初任」「3年目まで」「ミドルに向かう時期」に着目。各段階に必要な資質能力を明示したうえで、「学級経営」「授業づくり」「保護者対応」などの課題別に、主に管理職に向けて若手育成の方策を提案します。
若手育成に効果的な“マネジメント”とは?
・教師特有のキャリア体系や教員採用の現状など、直近のデータと課題を分析。学校現場の人材育成で管理職が知っておくべき最新の視点と方略がわかる。
・人材育成がうまくいく「組織づくり」「校内体制」「校内研究」等のコツとヒントが満載。
若手が備えるべき力から考える“若手育成の近道”とは?
・「初任」「3年目まで」「ミドルに向かう時期」に求められる資質能力を明示。教師のライフコースを見据えた、これからの若手の“育ち”がわかる。
・現場のスペシャリストが「学級経営」「授業づくり」「保護者対応」などの課題別に分担執筆。若者事情や直近の現場課題、教師に求められる力から、若手への指導・支援のリアルを伝授。
目次
第1章 若手教師を育てる視点と方略【大脇康弘〈関西福祉科学大学教授〉】
第1節 若手教師への着目/第2節 大量採用時代の若手教員/第3節 教師のライフコースを考える
第2章 教師文化をつなぎ創造する人材育成【末松裕基〈東京学芸大学准教授〉】
第1節 教師文化の不易と流行/第2節 これからのOJTの基本的な視点
第3章 学級経営力を高める【中山大嘉俊〈大阪市立堀江小学校校長〉】
第1節 キャリアステージに応じた学級経営力/第2節 学級経営の基礎と1年間を通した学級経営の実際/第3節 子供への理解と対話のポイント/第4節 学級経営力の向上のための校内体制
コラム 中学校の生徒指導力を高める【木田哲生〈堺市教育委員会生徒指導課指導主事〉】
第4章 授業を創る力の育成【岸田蘭子〈京都市立高倉小学校校長〉】
第1節 教師にとっての授業を創る力/第2節 新学習指導要領で目指す授業づくりのために/第3節 おさえておきたい授業づくりの基礎技術/第4節 単元構想力を身に付ける/第5節 子供の学びを見取る目を育てる/第6節 授業研究で育つ若手教員
コラム 教科指導力の基礎を創る【文田英之〈大阪市立花乃井中学校校長〉】
第5章 保護者への対応力を養う【太田洋子〈伊丹市立総合教育センター所長〉】
第1節 初任からミドルリーダーに向かうために身につけておきたい項目/第2節 第一印象を大切にした家庭訪問・懇談の手法/第3節 保護者の気持ちに寄り添った関わり方/第4節 チームによる保護者対応と危機管理
第6章 若手を育てる校内体制【田村知子〈大阪教育大学連合教職大学院教授〉】
第1節 若手を育てる学校システムの構築/第2節 小規模校の若手育成
第7章 事例:若手育成のシステムと実践
総説 若手育成システムの構築に向けた視点【大野裕己〈滋賀大学教職大学院教授〉】
事例1 教師の力量と学校組織力の向上に向けた校内研修体制の構築【滋賀県彦根市立城南小学校】
事例2 高め合い、学び続ける「WTM」(若手つながります)組織的な若手教師育成システム
【滋賀県甲賀市立信楽中学校】
事例3 コミュニティ・スクールを生かした人材育成【山口県下関市立夢が丘中学校】
事例4 組織構造の確立と若年教師等の育成における学校づくり【兵庫県立小野工業高等学校】
第8章ケースメソッド学習法【大脇康弘〈上掲〉】
編著者プロフィール
大脇康弘/関西福祉科学大学教授・大阪教育大学名誉教授
1952年生まれ。東京教育大学卒業、筑波大学大学院博士課程中退。教育経営学・教師教育学専攻。「スクールリーダー・フォーラム事業」及び「夜間大学院のスクールリーダー教育実践」で日本教育経営学会「実践研究賞」受賞。編著著に『「東アジア的教師」の今』(東京学芸大学出版会)、『学校を変える授業を創る』『学校評価を共に創る』(以上、学事出版)、当社では『学校管理職の経営課題5 学校をエンパワーメントする評価』『新教育課程ライブラリ』(連載「ミドルリーダーが創るこれからの学校」)『リーダーズ・ライブラリ』(Vol.5)などを執筆。