橋下徹氏の知事就任直後から大阪府・大阪市の特別顧問を務めてきた上山信一、大阪府議会議員を務めた紀田馨の両名が大阪維新改革の全体像を解説します。
地方分権・地方創生時代を生き抜く全国の自治体にとってヒントとなる一冊です!
◆大阪維新改革を徹底検証
・大阪維新改革の経営分析結果と改革の手法、成果を紹介します。
・従来の自治体の行財政改革を超えた、ダイナミックな動きである大阪維新改革を徹底検証しています。
◆大阪維新改革とは何だったのか
・「大阪都構想」などスケールの大きな改革が注目された一方で、「水道事業の経営改革」をはじめ、「住民サービスの根本的見直し」や「税の公平配分」、「現役世代への重点投資」、「国との交渉力強化」など、他団体の参考になる取組も数多く行われました。
・報道される機会の少なかった取組についても、図表を用いてわかりやすく解説しています。
目次
はじめに
序章 解説:維新改革とは何か
第1部 府市の6年間の維新改革を評価する
第1章 維新改革の全体像
第2章 危機に瀕する大都市・大阪の実態―なぜ抜本改革が必要なのか
第3章 3つの悪循環と都市経営力の低下―維新改革以前の府市の姿
第4章 鉄道、道路、空港の見直し―遅れていた交通インフラの整備
第5章 府市が連携して成長戦略を推進
第6章 社会政策のイノベーション―生活保護の抜本的な見直し
第7章 学力向上に向けて教育を抜本改革
第8章 財政再建への足取り―民間の財務マネジメント手法を導入
第9章 公務員制度の抜本的な見直し
第10章 従来にない改革方法を駆使―ニュー・パブリック・マネジメントの探求
第2部 個別事業の改革事例
第11章 経営分析と情報公開による行政改革
第12章 市営地下鉄の民営化―国鉄、郵政改革に次ぐ大改革
第13章 市営バス事業の改革と民営化―地下鉄依存からの脱却
第14章 府市の水道事業の一元化―民営化統合、そして広域化
第15章 府立と市立の大学統合―公立大学の本格再編と広域化
第16章 市立近代美術館の建設と天王寺美術館の統廃合問題
第17章 信用保証協会の府市統合―二元行政解消の成功例
第18章 民間経営の発想でモノレールを延伸
第19章 文楽とオーケストラへの支援の見直し―文化を聖域とせず
第20章 中之島図書館と中央公会堂の改革―府市連携による文化遺産の活用
第21章 府立と市立の病院改革―赤字構造の打破に向けて
第22章 医療戦略会議の提言―地域の医療と介護の戦略を見直す
第23章 泉北ニュータウンのPPPプロジェクト―官民協働によるニュータウンの再生
第3部 統治機構の在り方を見直す
第24章 二元行政の是正と府市連携―統合本部会議の挑戦
第25章 大阪都構想の実現に向けて―住民投票への道程
第26章 まとめ―維新改革は大阪と全国に何をもたらしたのか
初出一覧
維新改革の理解を深めるために併読を勧めたい参考文献
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著者紹介(肩書は発刊当時、敬称略)
上山信一…うえやま・しんいち/慶應義塾大学総合政策学部教授
紀田馨…きだ・かおる/弁理士