スピード開票が民主政治につながるとして“コンマ1秒の改革”運動を推進してきた早稲田大学マニフェスト研究所のスタッフの手になる1冊。
2010年の参議院選挙執行経費の算定に当たり、投開票従事時間が2時間短縮される予定で、各選管ともこれまで以上に開票作業の迅速化が求められています。
本書では、目標の数値化や人員配置の工夫など、手間と費用をほとんどかけず、すぐに実践できる事例を具体的に紹介。
自治体・選挙区規模の大小を問わず参考となる内容になっています。
また、衆議院・参議院選挙、地方選挙、首長選挙など、どの選挙でも活用いただけます。
開票事務の効率化は、経費削減効果はもちろん、グループ作業の中で創意工夫をこらすことによる職員の意識改革にもつながります。
目次
1 地域主権時代における開票事務改革
・開票事務には時間がかかるという「思い込み」
・「思い込み」を打破した府中市選挙管理委員会の取り組み
・地方分権から地域主権へ
・行政刷新会議による事業仕分け
・経営と管理
・改革への抵抗
2 選挙開票事務の現状と問題点
・公職選挙法と選挙開票事務
・開票作業における思い込み
・開票事務改善へのきっかけ
・選挙に関わる経費の問題
3 先進自治体の事例研究:開票実践マニュアル
・改革の先駆者:東京都府中市の取り組み
・ベンチマークを活用:長野県小諸市の取り組み
・リーダーが改革を牽引:福島県相馬市の取り組み
・小諸市と相馬市の取り組み手法の比較
4 開票事務の迅速化によるメリット
・開票事務がかかえる問題の本質
・選挙管理委員会の実態
・法定受託事務の問題
・改革に対する抵抗を乗り越える手法
・開票事務の改善により期待される効果
・管理から経営型行政システムへ
・新しい公共の芽生え
・公共経営の視座
・小さな公共性から大きな公共性へ
・開票事務改革の横展開
・開票事務改革のポイント
付録 開票事務マニュアル
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監修者紹介(肩書は発刊当時、敬称略)
北川正恭…きたがわ・まさやす/早稲田大学大学院教授、元三重県知事