地方行政判例解説の決定版!! 訟務検事らが解説する唯一の判例解説書です!
●国や自治体の訴訟代理人として活躍する訟務検事らが、行政・法曹実務に影響を及ぼす重要な行政関係判例20件を厳選して解説。
●「参議院議員定数配分」「ヘイトスピーチ規制条例」「被爆者の疾病」「過払金返還債権」「ふるさと納税制度」「取引のない株式の譲渡」「地方公共団体の議会の議員に対する出席停止」「内閣の臨時会招集決定」「性同一性障害者特例法」「同性パートナー」「生活扶助の基準生活費」「不適切保育による乳児の死亡」など、昨今話題となったキーワードめぐる重要判例解説を多数収録しています。
●自治体の法務・訟務を行ううえで参考になる注目判例も、深く掘り下げて紹介しています。
目次
Ⅰ 行政事件訴訟
Ⅰ 行政事件訴訟
⑴ 選挙関係
1 参議院(選挙区選出)議員の議員定数配分規定の合憲性
(最高裁令和2年11月18日大法廷判決)
⑵ 住民訴訟関係
2 複数の公務員が国又は公共団体に対して連帯して国家賠償法1条2項による求償債務を負う場合
(最高裁令和2年7月14日第三小法廷判決)
3 いわゆるヘイトスピーチを規制する条例の憲法21条1項適合性
(大阪地裁令和2年1月17日判決)
⑶ 厚生労働関係
4 被爆者の疾病に対する経過観察と要医療性
(最高裁令和2年2月25日第三小法廷判決)
⑷ 租税関係
5 固定資産評価基準により隣接する2筆以上の宅地を一画地として認定して画地計算法を適用する場合における各筆の宅地の評点数の算出方法
(最高裁令和2年3月19日第一小法廷判決)
6 取引相場のない株式の譲渡に係る所得税法59条1項所定の「その時における価額」の評価方法
(最高裁令和2年3月24日第三小法廷判決)
7 家屋の評価の誤りに基づき固定資産税等の税額が過大に決定されたことによる損害賠償請求権に係る改正前民法724条後段の除斥期間の起算点
(最高裁令和2年3月24日第三小法廷判決)
8 被相続人に対して既に納付又は納入の告知がされた地方団体の徴収金につき,納期限等を定めてその納付等を求める旨の相続人に対する通知と消滅時効の中断
(最高裁令和2年6月26日第二小法廷判決)
9 破産手続における過払金返還債権の確定を理由とする更正の請求の可否
(最高裁令和2年7月2日第一小法廷判決)
⑸ 行政争訟関係
10 国の機関が公有水面の埋立承認を得るに際しての行政不服審査法7条2項にいう「固有の資格」該当性
(最高裁令和2年3月26日第一小法廷判決)
11 いわゆる「ふるさと納税制度」に係る告示が,地方税法の委任の範囲を逸脱した違法なものとして無効であるとされた事例
(最高裁令和2年6月30日第三小法廷判決)
⑹ その他
12 普通地方公共団体の議会の議員に対する出席停止の懲罰の適否と司法審査
(最高裁令和2年11月25日大法廷判決)
13 性同一性障害者特例法における非婚要件につき,憲法13条,14条1項,24条に違反しないと判断された事例
(最高裁令和2年3月11日第二小法廷決定)
14 個人番号(マイナンバー)制度により行政機関が個人情報を収集,保存,利用及び提供する行為と憲法13条
(東京地裁令和2年2月25日判決)
15 同性パートナーは犯罪被害給付の対象者「事実上婚姻関係と同様の事情にあった者」に当たらないとされた事例
(名古屋地裁令和2年6月4日判決)
16 憲法53条後段に基づく内閣の臨時会召集決定に対する司法審査の可否と国賠法上の違法性
(那覇地裁令和2年6月10日判決)
17 生活扶助の基準生活費の変更を内容とする生活保護法による保護の基準の改定に違法事由はないとされた事例
(名古屋地裁令和2年6月25日判決)
18 いじめの被害生徒を受診させるに当たって負傷の原因について虚偽説明をするように指示した市立中教諭に対する懲戒停職処分と比例原則
(最高裁令和2年7月6日第一小法廷判決)
Ⅱ 国家賠償請求訴訟
19 認可外保育施設における不適切保育による乳児の死亡事件について,市長の規制権限不行使については国賠法上の違法性を否定したが,市長の調査監督義務違反について国賠法上の違法性を認めた事案
(宇都宮地裁令和2年6月3日判決)
Ⅲ その他の民事訴訟
20 国税滞納処分に係る国税徴収官の報告書につき,いわゆるマスキング処理を施して作成した写しを原本として証拠提出した場合に,①当該マスキング部分が民訴法220条1号の引用文書に該当するか否か及び②当該部分につき同条4号ロの公務秘密文書に該当するか否かが問題となった事例
(東京高裁令和2年9月2日決定)
監修者紹介
■行政判例研究会(ぎょうせいはんれいけんきゅうかい)
法務省訟務局訟務担当課課長、課付検事、全国の地方法務局訟務部長及び副部長ら(国及び地方公共団体の訴訟代理人として実際に法廷の場で活躍している訟務検事)によって構成された判例研究会